Phalaenopsis (ページ9)

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8輪ページ9

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『……で。ジョンハンさん。何のご用ですか？』

JH「まずは、傘ありがとうジョンハナ。じゃなくて？」

コーヒーの入ったマグカップを持って私を見ながらそう言う天使は､いちいち動作が可愛い

『ジョンハンさん、傘ありがとうございました。』

丁寧にそう言えば、不満そうな顔

JH「だから……ジョンハナでいいって」

『呼び捨てなんてできません……そんな仲でもないですし。』

JH「ハウンヒョンから聞いたんだけど、同じ年でしょ？じゃ、いいじゃん。」

『でも、貴方はアイドルで私は一般人です……なので。』

察してと言わんばかりな顔をしながら天使を見つめると、少し怒った顔をしてる

JH「はぁ…………今は、SEVENTEENのジョンハンじゃなくて。

ただのユン・ジョンハンとしてAに会いにきたんだけど？」

イライラしながらそう言って、キッチンに立つ私の元にきた天使

『…………えっと………私に…会いに？』

JH「そうだって言ってるじゃん」

『え、なんで？』

あ、タメ口でちゃった

JH「Aに会いたかったから」

私に会いたかったなんて…

ニヤケそうになって、必死に真顔を作った

舞台袖で少し話して、ホシさんの花束のことで話しただけでアイドルに会いたいと思われるようなことなんてしてないないと思う…

もしや､揶揄われてる……？

『………揶揄うのはやめてください』

JH「揶揄ってないんだけど」

『だったらなんで………』

JH「信じてもらえるまで何度でも言えるけど？

一目惚れみたいなもんかな」

少し伏し目がちに恥ずかしそうに下を向いてそう答える天使

素直に嬉しい………でも………

私はもう、恋愛はしない。できない。

だって…………………

『………ごめんなさい。私には……』

左手に光る指輪を見せながらそう告げると

ハッと目を見開いた後に、下を向いた天使

『ごめんなさい。気持ちは嬉しいです…

ジョンハンさんならきっともっといい人が見つかりますよ』

JH「……じゃ、友達になって。見つかるまで話し相手にでもなってよ。それならいいでしょ？

ダメなら、いいって言うまでここに毎日来てもいいけど」

そう言いながら私のスマホを手にし、ロック解除しろと言わんばかりに私に差し出す

確かに毎回連絡もなしにお店に来そうな勢いだな…………

『……………わかりました』

私たちはアイドルとペンからこうして一方的な友達になった……?