12輪 ページ13
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4年前______
日本で私はフラワーアレンジメントの講師をしつつ、フラワーアーティストを目指していた
そこそこ、仕事ももらえて雑誌に載ったり順調だった
フラワーアーティストを目指したキッカケは、高校生の時交通事故で両親と幼い弟を失った時に友人が持ってきてくれたお花達に心を助けられたからだった
両親と弟は、私を雨の中迎えにくる途中だった
一時は、みんなの後を追いたかった
そんな私に友人達は交代で私を1人にせず、そばに居てくれた。
交代する度に花束を持ってきてくれた。
そのカラフルなお花たちを見ていると、次第に生きなきゃと思えた。お花たちも必死に咲くために生きてるんだからと。
そして20歳の時、最愛の人に出会った
陽だまりのような暖かい人で、カッコよくて、優しくて、ちょっとマイペースで、私に愛を教えてくれた人
そんな彼と付き合って1年の記念日にプロポーズを受けて、まさに人生の絶頂期だった
私も幸せになっていいんだ。そう思えた頃だった
忘れもしないある夏の暑い日
結婚式の準備に、仕事の事にと忙しくしていて
ご飯もまともにたべていなかった私に、彼は食べ物を買ってくれて私の元に車で向かっていた
そこに大型トラックが突っ込んだ
即死だった
連絡がきた時、何かの間違いだと思った
病院で冷たくなった彼と再会したけれど、私の知ってる彼はもういなかった
最後に会った4日前
結婚式のドレス姿が楽しみだと笑った彼の笑顔
一緒に半分こしたアイスクリームの味
新婚旅行のパンフレットをみてはしゃいだ笑い声
またねって言って抱きしめ合った体温
おやすみって言った後にした最後のキス
何もかもがもうそこにない
お葬式が終わってから、私は空っぽになった
神様は私から大切なものを全て奪っていくんだなと思った
両親も弟も最愛の人でさえ
私は幸せになれない。なっちゃいけないんだな。
そう思った
それから私はお花の仕事もできなくなった。
お花といると幸せだったから
ただ毎日生きる屍のように過ごした
何度も彼や家族のもとに行きたくて
どうしたら行けるかばかり教えて過ごしていた
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作者名：なお | 作成日時：2023年10月31日 0時
