378話 ページ49
*Aside*
あの後、跡部君は簡単な食事を済ませて痛み止めを。その後、皆で朝食を食べて病院へ。忍足君は既に帰ってたけど…皆、最近忍足君と都合合わないって言ってた。何かあるのかな。
「…跡部君」
「…はい」
朱音のお父さんに診てもらう跡部君はよく見るとなんか嫌そうな顔。決して病院が嫌いというわけじゃないんだろうけど…色々言われることを気にしているのだろう。
「あれだけ安静にと…まあ、今は腕が無くなるとかいうことはないけどさ…いや、もう一緒に入院してもらおうか」
「なっ」
「一緒に…?」
驚く跡部君。疑問を持つ私。…相当入院が嫌なのだろうか。
「そう。Aちゃんと一緒にね」
「はいっ!?」
「分かりました」
「跡部君!?」
嫌そうな顔してたのにあっさり承諾してしまった…ちょっと待ってよ…
「Aちゃんも少々悪化させてるからね。まあ、大したことはないけど。2人とも、大人しくね?」
「はい。分かっております」
「あはははは…」
笑うような場面じゃないはずなのに苦笑いしていた。
****
「…そういえば朱音のお見舞いに行けてないですね」
色々話が終わって病室に戻った後、思い出して口に出した。
「色々あったからな。仕方ないだろ」
「跡部君は行けてるんですか?」
「行けてない。だがあいつらなら顔出すくらいは行ってるだろ」
「いい加減に行かないとですね…丁度良いですし、行きましょうか」
「だな」
私は立ち上がって扉に手をかけようとした。
「待て。座れ」
そこには病院の車イスが。
「…まさか、跡部君が車イスを押すんですか?」
「勿論だ」
「怪我人が何言っちゃってるんですか。私なんかより、まずは自分の心配を…」
「…昨日も言おうと思ったけどな。“なんか”って言うな。お前も大事な人間だ。自分を卑下するな」
昨日…?プロポーズの後にでも言ったのだろうか。確かにこんな状況はあった。無意識すぎて自覚していなかった。
「…ごめんなさ「行くぞ」自分で漕ぎますから!それか看護師さん呼びますから!」
謝罪の言葉は途中で遮られてしまった…だけど言わせないところが何となく跡部君らしいって言うかなんていうか。
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2019年3月10日 23時