363話 ページ34
「やあ、元気になったかね?」
「お祖父様」
…何この状況…!?
「え、えーと…お陰様で…」
「我々の問題に巻き込んでしまってすまないね。私も少々語弊があったようでね…あの時の彼女に『良いと思う』なんて言い方は良くないと教わったよ」
ヤンデレは妄想や、物事を過剰に捉えてしまう傾向があるとか聞いたことがある。跡部君のお祖父様にとってはそれは社交辞令だったのだろうが、確かに良くはなかったと考えられる。
「い、いえ…私は大丈夫ですので…」
えーと、状況整理をしよう。跡部君にこの部屋に連れてこられる。部屋に入る。跡部君のお祖父様がいた。会話してる。…いやなんで?なんでわざわざこんな豪華な部屋に連れてこられてるんですかね…?
「景吾、お前はそれで良いのだな?」
「はい」
「…確かに、それが最善手だからな。健康状態はどうだ?」
「医師からも経過は良いと言われております。問題はないかと」
「うむ、問題はなかろう。私も認めよう」
「ありがとうございます」
…だから、何の話してるんですかねえ!?何その秘密の会話!ねえ!?
「それでは失礼します」
「ご、ごきげんよう」
「お大事にね」
最後は笑って送ってくれた跡部君のお祖父様。
…私は何のためにここまで連れてこられたのだ…?
53人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2019年3月10日 23時