好きと嫌いは紙一重なのか？8【跡部景吾】 (ページ15)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:30,349 hit

344話ページ15

「ぜー…ぜー…」

持ち上げたら地獄でした。ただでさえ体力減ってるのに自分より重い人をベッドまで持ち上げるのは地獄。どうしても無理矢理になってしまったけど、起きない跡部君は相当疲れていたようだ。

「ん…」

「あれ…起こしちゃいましたか？」

「んー…」

…なんか、起きているのかそうでないのか分からないな。

「A…」

「はい？」

あ、目開いてる。起きてたのか。

「起こしてすみません。今、掛け布団を…」

「…ダメだ…行くな」

私の腕を掴んでくる跡部君。あ、あれこの光景…どこかで…

「お布団を掛けるだけですから。どこにも行きません。よいしょっと…」

片手で何とか布団を掛けることには成功した。やっぱり綺麗とは言えないけど。

「…ん…」

「え、う、うわっ」

何という馬鹿力…こうすると、あの時のようなオーバーワークではないらしい。…そうか。どこかで、と思ったけど初めて跡部君と話した時か。それにしても…

「zzz…」

ね、寝た！？寝ぼけてたってことか…いやいやいやいや。これどうするんすか…思いっきり抱きつかれてますけど…ま、まあそこまで苦しくはないけど…なんか、私の家に居た時と同じような感覚だな…多少慣れてるかもだけど…いや、訂正。今の私に慣れるなんて無理。心臓バクバクだ。

「あの…跡部君…せめて…枕を…」

取ろうとするも地面に落ちている枕。取れるわけがない。

「あー…ん…？」

寝ぼけてますね、ええ…というか、寝ている人と会話している気分になる…というか本当は寝ているんじゃないかって気分になる。

「枕なら…あるだろ…」

いやだから、落ちてるんですってば…なんて言う暇も与えず、枕ができた。え、何これ。え！？

「zzz…」

ちょ、寝るな！何これええええ！？あれか。世に言う腕枕！？ひえええええええ…体ガクガク、心臓バクバク…

「うーん…」

そういえば跡部君にも枕ないよな…？流石に寝ずらくないだろうか…

「…よいしょっと」

私も腕枕を…これでおあいこということで…うう、恥ずかしい…