285話 ページ6
「…？…うん。はい。はい？」
状況が理解出来ていないのか一気に大人しくなる朱音。
「え、えーと…誰から聞きまして…？」
『九条さん本人から』
そう。あの時耳元で言われた言葉。
『私、景吾様の婚約者なのよ。覚悟しててね？』
最後の意味深な言葉はこれを意味していたのかもしれない。だが、やることが殺す気満々である。
「ま、まさか…それが原因…？って、確実にそうですよね…？」
『多分』
「にしてはさ…A、明るくない？いつも通りっていうかなんていうか…いや、ちょっと違うか？」
確かに自分の中では声が出ないことと体調不良以外には特に変わりはない。基本的な部分は変わってないはずだ。
「なんだろ…以前みたいに記憶封印…じゃないけどさ。今回心に刺さりすぎて抜けてなくて…感情を殺してる？というかなんていうか。いつも通りに見せかけて実は演技してる、みたいな」
うーん…自覚はない。でも無自覚にそうやって自分を欺いているのかもしれない。記憶から目を逸らした時と同じように、記憶が無理なら心を…ならあるかもしれない。
「…ん」
「あ、起きた」
起きた跡部君は寝起きだというのに目の下にクマが出来ていて、心なしか弱っているように見えたのは気のせいだろうか。
「…」
何か小声で言って私に抱きつく跡部君。その時、頭がぐわんと揺れるような感じがした。物理的に激しく揺さぶられたわけではない。めまいを経験したことがないため、情報からになるがそれとはまた違う感じ。視界というよりは意識が揺れたような…
「 ……ぁ」
やっぱり声ははっきりと出てくれない。相当耳を近づけないと分からないだろう。…今言うべきなのか、どうなのか。
「…」
朱音はいつの間にか帰っていて、沈黙が流れる。こういうの…なんて言うんだろう。喉につっかえて出てこないような感じで、何て言うか思い出せない。
「佐藤ー大丈夫…か…」
「よし帰ろうか」
「だから言ったのに…」
とにかく、帰らないでアピールをする。跡部君、抱きついたままいつの間にか寝てるというか…怖いことに意識を失うようにパタンと寝てるんですよ。心配しかないのでなんとかしてください。
「…え、跡部…まだおったんか？」
どういう意味？
****
長期による話数の大幅なズレがありました。申し訳ありませんm(_ _)m
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
