326話 ページ47
「忍足か?」
『せやで。また空野のスマホに掛けたんかいな。まあ、俺のスマホも何処にあるか知らんけどな』
宍戸だろうか。電話の向こうで「ここにあるぞ。ったく…自分のスマホほったらかしでさっさと1人行くかよ」というような会話が聞こえる。
『んで、何の用や?佐藤はどや?』
「改善の見通しが立った。確定はではねえが、大丈夫だろ。用件は空野の様子だ」
『相変わらずや。…こりゃ、どうなるか分からんなあ』
「というか、空野に何があった?」
『銃で撃たれたわ。間違いなく九条やな。2人が会話しとる間にやられとる。大量出血もあって手術が難航しとるみたいやな』
話を聞いただけで相当ヤバいのは分かった。大量出血というのもそうだが、内臓に傷が付いていた場合、生存率が下がる。
『もう何時間経ったかも忘れたわ…新年早々嫌なことが起こるもんや』
そう言う忍足の声はやけに暗かった。確かにその通りだが…これは…
『佐藤の面倒はそっちでよろしく頼むで。じゃ、切るで』
…確かに、もう何時間経ったか分からねえな。外はいつの間にか真っ黒だな…いい加減、帰れと言われそうな時間だな。
「跡部、なんか呼ばれてるぞ」
「誰からだ?」
「医者。なんかよくわからんねえけどよ…院長がお呼びです…とかなんとか。佐藤の病室へ来いだってよ」
「すぐ行く」
何となく、嫌な予感がした。今行かなければ何もかも失ってしまう。そんな気が。
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年1月19日 23時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです! (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2019年1月13日 23時