325話 ページ46
「いつも飲んでる薬は全て確認してるんだよな？あの医者いなくなったし…もう大丈夫なんじゃね？」
「他にもいる可能性がある。九条は用意周到らしいからな」
…飲んでる薬？
「何か忘れているものでもあるのかね…部屋はそこまで出ないしね…普段触っているもの…だが、手を口に入れることはないし…皮膚からでも効果が出るのならもう既に何人か出ていそうなんだが…」
「ちっ…分かったぜ」
「…おいおい。分かるの早くねえか？」
「点滴だ。病院内じゃ移動でもしなければそこまで目立たねえし、部屋では邪魔だから隅の方にある。それに毒が入ってるかどうか確認しにくいだろ」
「…そうか点滴！よし。至急、取り外そう。ああ、何かあっても困るな…何人か医者を付かせよう」
慌てた様子で出て行く空野の父親。なんだ、結構単純だったな。用意周到らしいが、お粗末なところがあるな。どうせ感情に身を任せた結果か。
「そうなると…なんで九条は跡部婚約者だとか言ってんだ？」
「俺様は知らねえぞ」
「親の目線からすると気を引いてもらいたいとかじゃないかな？詳しいことは分からないけど…じゃ、私はAの方に付くね」
医者の後を付いていくように出て行くAの母親。気を引くにしてもやり過ぎじゃねえの。
「…ジロー、なんかねえ？って寝てるし…」
「zzz…」
「だが、空野の分と俺様の分と力があれば何とかなる」
「九条が本当に婚約者だったらやばくね？」
「知るか。あんな婚約者は絶対にいらねえ」
「…まあ、そこは同情するぜ」
「つーか、婚約者って九条以外なら結局誰なんだろうな。九条ならまあ、いいけどよ」
「良くねえだろ」
「いや、そういう意味じゃねえけどよ…まあいいや」
「…Aをここまでやった奴だ。徹底的にやらせてもらうぜ」
「いや、殺気やべえよ…ってことは解決したらまた元通りのカップルか？ちっ、羨ましいぜ」
「いや、無理だな」
「は、断言！？」
間違いなく無理なのはとっくに自覚している。元通りは確実に不可能だ。それを俺様が許さねえ。
「いやいやいや、好きじゃねえのかよ！彼女だったからここまでやってるのか？よく分かんねえ…俺知らねえからな？」
「ああ、好きにやらせてもらうぜ」
何をすべきかは、決まってるぜ。
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
