323話 ページ44
「娘さんを死なせたいのですか！？」
「冷静になってください。…では、そこまで必要のある薬はどのようなものなのか詳しく説明していただきたいです」
「そ、それは…ですね」
「貴方様がそこまで必死になるほど必要な薬ではないと思うのですが…そうですね？」
たじろぐ医者に追い打ちをかけるように1人の女性が現れる。…メイドか？
「ああ。あった方が良いというのも事実だが飲んだことによって生存確率が上がるということは全くない。所詮は対症療法みたいなものだ。そこまでして飲ませたい理由でもあるのかね？」
続いて医者。こいつ、偽装する薬を間違えたな。あるいは対抗する敵は空野のみと侮ったのか。
「それは…えーと…」
「少し冷静になったらどうだ。周りを見ろ。非常に迷惑だ。何故薬を飲ませてはいけないのか、患者様のために医者として話を聞くべきだろう。真に受けるなとは言わないが、話を聞かず真実を確かめないのはいけない。それに彼らは高校生。未成年とはいえ賢いようだし、中身は大人とそう大差はないだろう」
「あ……ああ」
ようやく周りの様子に気づいたらしい。自分が今どれだけ注目され、疑いの目を持たれているのか。話を始めから聞いてる人達にはおかしな医者だと思えるだろう。こうなるとどのような手段を用いようともこいつに勝ち目はない。
「…こいつを連れていけ。私はこいつが何をしようとしたか知っている。医者として失格だ」
「そ、そんな！お、お待ちを！私はそのようなことは…院長先生！」
「はて。そのようなこととはどのようなことかね？…若いのに、金に目が眩んだか…非常に残念だよ」
連れていかれる医者。自分で地雷を踏んで行ったな。…まさか、この院長と呼ばれた医者は……
「旦那様。如何なさいましょうか」
…やはりか。
「とりあえず、この薬は調べるように」
「かしこまりました」
「さてと…2人ともうちへ来てくれて助かったよ。まあ、東京都内で重症人が救急搬送されるとなると大抵がここだからね。そこまではどうしようもなかったかな？」
この場にいる誰もがよく分かっていないようだ。ったく…これで気づかねえのか？
「初めまして、空野朱音の父親です。娘がいつもお世話になっております」
「嘘だろ！？…ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ、…すみません」
…そこまで驚くか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
