316話 ページ37
「おい、ヤバくねえか？空野に好きな奴いたのかよ。これ向こうに付く気じゃねえか？」
「っていうか、空野に好きな奴いたのかよ」
そんなことを言うて、周りは慌てとるわ。…まあ、俺の方でもちょっと違う意味で慌てとるけどな。
『お前は私にも喧嘩を売ってさらに怒らせた。本気で、徹底的にやらせてもらう。最初から交渉決裂だ』
『何故！？だって、嬉しい話だって…』
『お前をこれ以上なく全力で潰すことが出来そうで、だ。Aのことだけで相当頭に来てたのにあの人まで…しかも私達を侮辱しやがって。正直、今すぐ殴り殺したいけどそれやったらお前と同じ場所に下がるし、お前に合わせるつもりはない』
「…なんか、かっこよくね？」
「なんかちょっと怖いC〜」
「あの空野さんとは思えませんね」
「…なあ侑士。空野ってこんなに声低かったか？」
「それほどキレとるんやろ」
全員がホッとした様子になる。まあ、俺も安心はしたんやけど……
『…いいですわ。精々、後悔なさらぬようにお気を付けを。もし気持ちが変わったのなら…』
『申し訳ないけど、親友置いて帰れないんで。私がここまでやるのって、Aが大切な友達だからよ。それ以外に理由ある？それに、個人的な恨みまで作ったからね。そっちこそ、後悔しないように』
「俺、ここまで言える気しませんよ…」
…と、全員が空野のかっこよさに驚嘆しているところだった。
『そう…どうしても嫌か。ふざけんなよ…』
その言葉で、全員の空気がガラリと変わった。
「な、何だ今の変な音…？小さくてよく聞こえなかったが…」
『…う……え…？』
『悪いけど予め窓ガラスに穴を開けさせて貰ったわ。予定と立ち位置が違ったせいで全く違う場所に当たったけどね…ちっ』
「…これ、なんかヤバいでしょ」
よくわからない音。一瞬、痛みに驚くような空野の声。ドサリと崩れ落ちるような音。まさか…
『まあ、死ななくても邪魔は一旦消えるからいっか。あの女を殺せるんだし』
「は…？空野を…殺す気か…？」
『…あれ、もう死んだ？早。予定とは違うけど作戦成功ということで…この私を怒らせたからこういうことになるのよ。ま、後はこの薬で死ねるからいっか』
「…！」
「ちょ、忍足…！」
俺はその場から駆け出した。
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
