314話 ページ35
「これがあれば、もう1つの薬と反応して…うふふ。まるで地獄絵図ね。景吾様は絶対にあの女に失望する。これで…ずっと美しくて優秀な私のことを…」
そんな感じのことを小さい声でブツブツ呟いている。薬は2種類あったのか。もしかすると今まで飲んでいた薬の中に異常を引き起こす物が、そしてそれと合わせると死に至らしめる物が…と朦朧とする意識の中、何とか思う。
「…全く反応がないわね。何しても動かないし、意識死んだね。さて……誰か！誰かいませんか！？A様が…！」
うわあ…切り替えの早いことで…あっという間にいつもの九条麗子に戻ってるよ。
もし私が生きていたとしてだ。目覚めるのは恐らくこの問題が解決、または最悪な展開へ向かって何もかも終わった時だ。出血の量からして1日2日では起きないだろう。つまり、私が今ここでどうするかによって未来が最善か最悪かに変わる。
「…ん…ぁ」
ほとんど動かない体に鞭を打って近くにある紙とペンを用意する。幸いにも右手は血で汚れていない。何やら外が騒がしいが、恐らく九条が部屋が多すぎてどこか分からなくなったとか言って時間稼ぎでもしているのだろう。ということはまだ時間はある。
「…ｶﾊｯ」
吐血してきた。いい加減、視界も見えなくなってきた。なんとか書ききった言葉は「薬2つ、1白い粉」的なことを書いたと思う。漢字で書いたかどうかももうあやふやだ。というか、よくこの意識で思考が動いたものだ。急所を外したお陰だろうか。紙はバレないようにしっかり右手に握っておく。
「お嬢様！」
やっと来たか…もう…疲れた…後は…任せた…
そのまま私は意識を失った。
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
