313話 ページ34
「お前は私にも喧嘩を売ってさらに怒らせた。本気で、徹底的にやらせてもらう。最初から交渉決裂だ」
「何故！？だって、嬉しい話だって…」
「お前をこれ以上なく全力で潰すことが出来そうで、だ。Aのことだけで相当頭に来てたのにあの人まで…しかも私達を侮辱しやがって。正直、今すぐ殴り殺したいけどそれやったらお前と同じ場所に下がるし、お前に合わせるつもりはない」
堪忍袋の緒が完全に切れている。そんな汚い手を使って忍足君を手に入れるなど、馬鹿馬鹿しいにも程がある。そりゃ、手に入れたい気持ちもあるけどそれ以上に忍足君には幸せになってもらいたいし。
「…いいですわ。精々、後悔なさらぬようにお気を付けを。もし気持ちが変わったのなら…」
「申し訳ないけど、親友置いて帰れないんで。私がここまでやるのって、Aが大切な友達だからよ。それ以外に理由ある？それに、個人的な恨みまで作ったからね。そっちこそ、後悔しないように」
「そう…どうしても嫌か。ふざけんなよ…」
直後、パンというような音だろうか。そんな感じの音が小さく聞こえた。
「…う……え…？」
左の脇腹あたりに痛みを感じると血が溢れ出ていた。出血を自覚するとさらに痛みが増してくる。…まさか、銃で撃たれた？にしては、窓ガラスの割れる音も、銃声もそこまでしなかったような…
「悪いけど予め窓ガラスに穴を開けさせて貰ったわ。予定と立ち位置が違ったせいで全く違う場所に当たったけどね…ちっ」
いつもより冷たい声だ。動いて正解だったようだけど、声を上げないようにするのが精一杯の痛みだ。こいつの前で声を上げるのは屈辱に感じるから声は上げたくない。大量に出血したためか意識が朦朧として立てなくなった。
「まあ、死ななくても邪魔は一旦消えるからいっか。あの女を殺せるんだし」
ダメだ、何とかしないと…なんて思いに体は一切答えてくれない。瞼もほとんど開けることができず、体は1mmも動かない。声も出ない。
「…あれ、もう死んだ？早。予定とは違うけど作戦成功ということで…この私を怒らせたからこういうことになるのよ。ま、後はこの薬で死ねるからいっか」
…死んでないんだけどね。意識を失ったことをそう表現してるだけなのかは私には分からないけど。
微かに見える視界には、白い粉。あれが毒に値するものか…
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
