300話 ページ21
「むにゃあ……」
「は、はあ…はあ…死を覚悟したぜ…激ダサ…だぜ…」
「佐藤って…女だよな…？スポーツしてないよな…？」
「疲れました…」
ナイフを持って暴れるAを止めるだけで全国級テニス部男子全員がこの消耗である。ナイフが危ないっていうのもあるんだけど、火事場の馬鹿力…というか何というか。とにかく暴れ回って大変だったのである。
おまけに「死ね！」なんて叫んで襲ってきたときにはとんでもなくビビった。幻覚でも見ているのか何もない方向にナイフを振り回していた。その隙に捕まえて、疲れ果てたのかAは眠ったのである。
「というか、何でナイフが？果物ナイフですし…果物切ってました？」
「いえ。そんなものは持ち込んでないですけど…」
となるとどこかの病室などから盗んできたのだろうか。
「しかし、うちの子がなんでここまで…一体誰が…」
犯人は分かっているけど言えない。言ってしまえばAの家族、親戚の身も安全であるとは言えなくなってしまう。むしろかなり危険になってしまう。
「…確かに不思議やな。いくらあんなことされたとは言うても、それまでにあれだけのことをされた佐藤があれくらいでこうなるとは思えんわ」
「確かに…Aって絶対メンタル強いよね。服に吐かれても大して気にしない、嫌だった跡部の看病、跡部との試合、跡部に勝つため猛勉強、猛特訓、幽閉に誘拐未遂、脅迫、跡部邸へ乗り込んであの社長と交渉してイギリス留学、通称魔王とか神の子とか呼ばれる幸村との対戦、
「…よう知っとるな。そう考えたらやっぱり変やな。今までのやつも背負ってこれか？気づかへんうちに今までのストレス抱え込んでか？」
「うーん、Aって落ち込んでも解決したらそれっきりって感じなんだよね。私が直接訊いたわけじゃなくて全部自分から平気で話してたし。嫌なら話さないし、意識してなくても脳が話さないようにしそうなんだけど…無理に話したらやっぱりストレスで長くは話さないよ」
「自分、頭ええやん。留学して変わったか？」
「かもね…あはははは…」
「…侑士。そこで何話してるんだよ」
「あ、岳人悪いな」
九条麗子…Aに何したの…？
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
