297話 ページ18
命に関わることでもLINEの方が早くていいし、夜中に家に来て話す内容じゃないし…と疑問に残りつつも自分も布団を貸して寝る。
とは言っても、熟睡は出来なかったけど。
****
「…いただきます」
「ほな、いただくわ」
何故私は今忍足君と2人でおせち料理を食べているのだろうか…分からぬ。
「…結果は同じやったやろ」
「え？」
唐突にそんなことを言ってくる。唐突過ぎて全く理解できていない。
「跡部と佐藤が別れても別れんでも結果は同じ可能性が高いやろ。別れたら今みたいにショックを与えて、近づきたくなくなるようなことでも言うとるやろ。別れんかったら2股とか思わせて不安にさせたり、嫌がらせしたり…多少結果は違うかもしれへんけどな。自分から聞いた話からして多分やるやろ」
もしかして、私が自分が話さなかったせいで…とか思って寝られなかったことに気づいているのだろうか。
「でも…私がAを引き止めずに早く別れていれば…」
「近づかせんために元カノにも徹底的にやるやろ」
あくまで仮定の話だ。実際にそうなるかは分からない。でも少しだけ気は楽になった。その一方で、この作戦のせいでAを思い通りに壊した九条が許せなくなってきた。
「作戦に失敗したとしたらパーティーの時やろうな」
「なんで？」
「佐藤、ピアノ弾いたやろ。多分あれ九条のせいやろ。佐藤はピアノ習ってなかったから弾けないと推測して恥かかせるつもりやったんやろうけど逆にウケてもうたからな。やけに寒かったんのもそのせいやろ」
なるほど、念のため寒さで手を冷やして弾きにくくさせたのか。全くもって失敗だったが。
「九条家なら庶民のことを一晩で調べるなんて簡単やろうし、やることからして調べとるやろうな。独学っちゅう手を思いつかんかったんのは失敗やったろうな」
「A、凄いわ…一体どこで…？ピアノ持ってるのかな」
「電子ピアノやったら安いのがあり得そうやけどな。それも買ってるかどうかは怪しいわ。…いや、氷帝の七不思議の1つにこんなんがあったわ。誰もいない音楽室で鳴り響くグランドピアノの音色…ショパンやバッハ、ワーグナーなどの曲も流れるがその曲のほとんどは誰も知らない」
「…それAだと思う」
あの有名な七不思議になっていたのか…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
