290話 ページ11
*跡部side*
「あんたはあのままでいいの？」
病室から出て数分は経っただろうか。この声は越前だな。話は終わったらしい。
「どういう意味だ？」
「そのままでしょ。もしかして、無自覚？」
何が言いたいのかさっぱり分からない。Aのことというのはわかるが…いや、分かっているくせに自分を欺いて気づいていないふりをしているだけか。
「…ま、それもそうか。相手が結構コソコソやってるみたいだからね。あんたのファンかなんかでしょ、あれ。うちの庭にあの人置いていったの」
あれだけ調べても出てこなかった情報があっさり出てきた。やはりそうか…
「後はあんたの自由だけど…あれ、ただのファンじゃないでしょ」
その言葉を聞いた瞬間、何かが結び付いた。…婚約者とやらか。あの場にいた可能性は十分にある。
仮にそうでないとしてもだ。命が狙われたのは事実で、原因は俺が側にいたからに違いない。婚約者なら尚更、側にいれば危険であろう。
「…ちっ」
「んじゃ。後は知らないから」
…いい加減、目を向ける時が来たか。何が最善か…分かっている。分かっているが…
「…これでいいのか？」
その問いに答える者は誰もいない。
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葉月(プロフ) - みささん» このような作品ですが、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 初めまして。もう夢中になって読んでました。続きが楽しみです！ (2019年1月19日 21時) (レス) id: a32759bc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時：2019年1月13日 23時
