好きと嫌いは紙一重なのか？6【跡部景吾】 (ページ43)

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272話ページ43

「綺麗…」

私たちは今、イルミネーションが見えるカフェに来ている。ちなみに外の席で。外の席ってあるんだね…初めて知った。

「飲み物はどうする？」

「えーと…じゃあ、コーヒーでお願いします」

「分かった」

紅茶と迷ったけど…コーヒーでいいかな。

「お待たせしました」

早！あらかじめ準備してたのかと疑いたくなるような早さ。本当にそうだったりして…ついでにケーキも来てるし…

「いただきます」

「砂糖やミルクはいらねえのか？」

「必要ないです。ブラック派なんで」

小さい頃から私は何故かコーヒーはブラック派。家族は甘党が多くて多分ほとんどの皆が砂糖やミルクを入れているのに何故だろう。

「跡部君は紅茶なんですね」

「ああ。いるか？」

「いえ。コーヒーが残っているので必要ならまた後で頼みます」

「そうか」

いやあ…景色いいな…ちょっと寒いけど、防寒はばっちりだし特別寒くは感じない。クリスマスって本来こういうものなのか…

「そのコーヒーの種類は分かるか？」

「コーヒー豆ですか？うーん…ブレンドみたいですし、普段家族が好きなものを飲んでいるんで…うーん、キリマンジャロっぽいですかね」

「…確かにそうだな。なかなかいけるじゃねーの」

「…え。ええ！？あれ、コーヒー…い、いつの間に…」

私のコーヒーが飲まれていた…しかも平然と…これっていわゆる間接キス？ねえ、そうじゃない？

「なんだ？問題でもあるか？」

ありありです。よ、よくもそんな平然と…なんでそんなに平然とできるの…しかも、不敵にニヤッと笑うのやめてもらえませんかね。跡部君に負けている気しかしない。

「紅茶も欲しいと思っただろ。いるか？」

と言って、自分の紅茶が入ったカップを目の前に置いてくる。ま、まさか…私が紅茶と迷ったのに気づいてわざと紅茶を…？うっ、ニヤッと笑っているのを見るとそうとしか思えない…

「…いただきます」

こ、この辺なら口つけてないと思うから大丈夫だよね？…うう。恥ずかしさで味が感じられない…

「どうだった」

「ｵｲｼｶｯﾀﾃﾞｽ…」

「お前も俺様との間接キスを平気でできてるじゃねえか」

ｺﾞﾌｯ、え、まさか…口つけてたところやっちゃった？No…

「ﾌｯ、やるじゃねえの」

「…///」

きっと今、私は恥ずかしさで顔が真っ赤であろう。