好きと嫌いは紙一重なのか？6【跡部景吾】 (ページ37)

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266話ページ37

「で、跡部君…なんでわざわざ迎えを…？」

「当たり前だろうが」

ってそれしか言わない。当たり前じゃないから訊いてるのに…あれか。金持ちの間では常識なのか。

「心配することは何もねえ」

どうやらさっきまで考えていたことの答えだろうか…って跡部君いなかったよね？盗聴器でも仕掛けてた？いつの間にか朱音が話してた？

「顔に書いている」

以前は見抜かれなかったのにね…今じゃ見抜かれることも多い。流石跡部君。

「後、後ろ向け」

「は、はい。…？」

なんか首元に冷たい感触。見てみると…ってこ、これは…まさか、ダイヤモンド！？

「え、ええええと…ゆ、油性ペン…？」

「本物のダイヤかどうかの見極めか？心配しなくてもダイヤモンドだ」

…うん。息を吹きかけたらすぐに曇りが無くなるし、屈折率も高いようだ。プロじゃないので断言はできないけど、ダイヤで間違いなさそうだ。おまけに鑑定書まで渡された。大きさは…多分1ct(カラット)ありそうだけど…宝石1粒なので充分である。

「派手すぎるのは苦手だろ。だからそれにした」

「すみません。ダイヤの時点で既に充分派手です。…ですが、ありがとうございます。大切にします」

これは絶対に無くせない…10万はするって聞いたことあるし、絶対に無くしたらダメだわ…

「似合っている。流石俺の女だ」

…こういうことを平気で言うので恥ずかしい。

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「ねえ…昨日より派手じゃないですか…？」

「私もそう思う。前からこんなに派手だったっけ…？」

「こんなものだろ」

普通だろ、みたいな感じで言えるの怖い。御宅のお金は無限ですか。

「俺は先行くぞ」

「はい」

跡部君が車から降りた時の目線よ。車内からでもものすごく感じる。

「…A、車移動してもうちょっと後から行かない？」

「…だね」

ここで降りたら白い目で見られること間違いなしである。