好きと嫌いは紙一重なのか？6【跡部景吾】 (ページ33)

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262話ページ33

そして、色んな人と話していった結果…

「……」

跡部君が拗ねました。ええ、私でも分かるくらいに完全に拗ねております。

「あ、あの…」

「なんだ」

うん、拗ねてる。いつも通りの会話に見えて、態度が素っ気ない。いや、うん…仕方ないことだから…うん…

「イエ、ナンデモナイデス…」

日本人なのに片言になる始末である。私、空気に耐えられず逃走。どうすれば良かったのさ…とほほほほ…

「おっ、始まるよ」

「あっ、社交ダンス？」

「それもそうなんだけど、先にピアノの演奏が入るよ。直接話したりしたことないから分からないからわからないけど、相当なお嬢様らしい。毎年このクリスマスパーティーには2日とも必ず恒例でやってるよ。ピアノもプロ並みとかの話もあるし、しかも美人でまさかの同い年」

「そうなんだ…」

「噂によれば…いや、やめておくよ。おっ、始まる」

…？少し気になって何を話そうとしたんだろう、と考えてみるけど分かるわけがなかった。気づいたらいつの間にか司会が進行をしていたらしく、その人がグランドピアノの前に現れる。本当に、大和撫子とか才色兼備とか、そう言った言葉が似合いそうな人だった。

「1曲目はモーツァルトのトルコ行進曲です」

…数曲弾くのかい。てっきり1曲だけかと思っていたけど…しかしまあ…綺麗な演奏だなあ…これはプロと思われてもいいくらいだ。クラシックとかにそこまで詳しくない私でも惹かれてしまうくらいだ。

思わず、食事なんてすっかり忘れて演奏にのめり込んでしまった。多分、間抜け面だったと思う。そのくらい、演奏に集中しきっていた。