好きと嫌いは紙一重なのか？6【跡部景吾】 (ページ27)

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256話ページ27

「No…これは厳しい…」

テニスならまだよかった。ツイストサーブとかのテニス用語は知らなかったけど、ある程度のルールなら知っていた。ソフトテニスやバドミントンの授業はあったし、テニスの試合はお父さんが好きでたまに見てたからある程度は感覚で知っていた。だけど…社交ダンスなんてテレビで少ししか見ないから…

「次いきますよ。ほら足！これでは相手の足を踏んでしまいます。はい、もっと胸張って！」

社交ダンスの靴は私の苦手なヒール。足が腫れそうである。うん、テニスの方がまだ楽だったかもしれない。とほほほ…

「一旦休憩しましょう」

「…Aダメだね」

「それは知ってるでしょ！？ヒールとか無理。痛い。辛い。疲れる。イギリス帰りたい」

「いやいや、Aの帰る場所は本来ここ、日本でしょ！？」

「ちょっとこれは…流石に苦手なことが多すぎて…」

「まさか、テニスよりダメ！？嘘でしょ！？」

「うん。朱音が逆なのが信じられない…まあ、金持ちで小さい頃からやってるからか…」

社交ダンスなんてもう嫌だ。なんで金持ちのパーティーには社交ダンスなんてあるんですか。私には理解不能。こんな辛い物、無くていいです。

「でも始めた頃よりは良くなっております。さあ、まずは基本のステップを叩き込みましょう。時間が迫っておりますので、急ぎますよ！」

「は、はい…金持ちなんて…うう…」

金持ちと庶民は交わってはいけないと本当に感じた。なんで交わったのか…氷帝に来たからか。なんで氷帝に来たんだろ…うう。こんな辛い思いするなら…

「あ、ちなみに跡部の特技社交ダンスだってー」

「…何ですと？」

私の負けず嫌い発動。跡部君は金持ちだから当たり前のことなんだろうけど。燃えてきた。勉強で対立してると何事にも負けたくなくなる。ええい、ヤケクソでもなんでもやってやる

「…あ、Aに火付いた。流石跡部」

何が何でもきちんと踊れるまで上手くなってやる…！