たっち、あうと。

十七 ページ19

ファーストキス、ってなんだろう。

昨日、翔平君にキスされた。唇に。めっちゃドキドキしたけど、、翔平君は何て言うか。。。ペットにキスされたみたいな←

なんかさ、翔平君って大型犬っぽい。わふわふしてて、そう、、ゴールデンレトリバーみたいな。


A「で、どう思う？ばやしさん」
上林「は？なんで俺に聞くの？」

A「んー。。なんでだろうな(笑)ばやしさんの恋愛観が気になるというか。全然興味無いって顔してますよね」
上林「興味ないわけじゃないけど。」

苦笑いしながら、こちらを見るばやしさん。

上林「じゃあさ、Aはどうだったの？キスされたとき。」
A「なんか、、頭がふわふわするというかね。。。真っ白！そう、真っ白んなったんですよ！」

ふーん、と頷いて下を向くばやしさん。

上林「俺はてっきり、Aは中島さんか、西川さんの事が好きなんかと思ってたけど、嫌じゃなかったん？」
A「なんで遥輝と卓さん？？まあ仲いいですけど。。キスされたときは、さっきもいったけどペットにされてるみたいな感覚で。なんとも思わなかったけど。」

うわあ、と顔をしかめるばやしさん。

A「ちょ、なんですか」
上林「いや、、大谷さんかわいそうで、、、」

A「はあ？」
上林「なんかな、、Aは、分かってないよね。色々。」

いつもの無表情に戻ったばやしさんはバットを数本持って歩いて行ってしまった。

A「んー、私ってバカなんかな」

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上林視点

A「んー、私ってバカなんかな」

そうだよ、バカだよ。大馬鹿。俺の後ろで独り言をこぼすAに、ツッコミを入れたくなる。大谷さんにキスされた事を聞いたとき、すごいビックリした。でも、Aは大谷さんの事なんとも思っていないようで。

Aは大谷さんがどんな思いでキスしたかもわかっていないと思う。哀れ、大谷さん←

あのふわふわ星から来たお姫様は、本当に何もわかってない。分かってたら、西川さんと同居なんてするはずがないし、もっと言えば、ギータさんみたいな大男に抱き着いたりもしない。身の危険を感じないのだろうか。

とはいえ、ガッチリガードされたら、俺も困る。無防備なのも考えものだけど、固すぎると手が出ない。

あーあ、俺だけに無防備にしてくれればいいのに。

そう、Aの周りには強靭な敵がわんさかいるのだから。

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