LOVE - ホンモノの愛を - 02

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隆「‥電話、出ないの？」


「‥えっと、あとで掛け直す」


隆「出てもいいのに(笑)」


「いや、と‥友達だからあとで大丈夫」






手の中で震える携帯電話

それと同時に、震える私の声



もうかかってこないと思ってた
連絡先なんて、消されたと思ってたのに。


なんで、今更‥





隆「今日送ってくよ」


「え、いいよ！大丈夫だって！まだ全然間に合うから！」


隆「中目黒でしょ？俺も今日事務所だし、ね？」


「いや‥でも、ファンの子とかにバレたら隆二さんが‥」


隆「‥俺は別にバレてもいいけど」




「‥え？」




隆「あーごめん、なんでもない！じゃあお店の近くの人通り少ないところ下ろすからさ！」


「‥んー」


隆「車の中１人寂しいもん、ね？いいでしょ？」


「‥じゃ、じゃあお言葉に甘えて」


隆「よっしゃ！じゃあ準備しよー！」





きっと、広臣なら

ファンの子にバレたら大変だからって
送ってくよ、なんて言わないんだろうな



ってなに広臣のこと、思い出してるんだろ





‥自分の心って怖いなぁ

連絡が来ただけで、すぐに
心、持ってかれちゃうんだから。


携帯の画面に、登坂広臣って表示されるだけで



過去が一気に、フラッシュバックする






隆「あ、これ！」


「え？」


隆「パーカー！あげるって言ったのに(笑)」


「いやいや、お高いものだって聞いたし‥」


隆「今日もこれ、着てったら？昨日の服まだ焼肉の匂い付いてるでしょ？」


「‥確かに、匂いはついてる」


隆「てーいっ」


「うわお！」


隆「早く着てね！玄関で待ってるねー！」


「ちょっ、」





あ、この匂い。

隆二さんの、落ち着く匂い‥。



そうだよ、私は隆二さんがスキなんだ。






「‥電話、どうしよう」




広臣からの電話。
今は掛け直すの、やめておこう。




もう一度かかってきたら

出てみよう、かな。








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