いい加減気づいてよ【小川智大】 (ページ2)

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空振るアプローチページ2

「Aさん、持つよ？」

俺は、高校時代出会ったAさんに未だ片思い中だ。

ずっと、ずっとアプローチしてきた。
Aさんが重い荷物を持ってたら、直ぐ様「持つよ」などと言ってきたのに……

まっっっっっっったく気付いてくれないのだ

天然なのか？鈍感なのか？分からないが、
とにかく気付いてくれないのだ

「小川さん、ありがとうございます」

「うん」

同い年なのに『苗字にさん呼び』そのうえ、『敬語』

多分、悲しいことに異性として意識されていないのだと思う。

そんな俺だが、唯一の相談相手がいる。
その人は＿＿

「そんで！全然意識してくんないんすよ！Aさん！」

「そうなんだ〜」

「聞いてます？！智さん！！」

「聞いてる聞いてる」

俺と同じリベロの先輩。
山本智大だ。

同じ日本代表ということもあり、かなり仲が良いのだ。
なので、よくこうして俺の恋愛相談に付き合ってもらっている。

「智さ〜ん…多分、俺意識されてないっすよぉ〜…」

お酒がほどよく効いてきたのか、眠くなりながら話す。

「意識されてないかもなー笑
つか、智寝んなよ？俺お前のこと運びたくないわ」

「寝ないし〜」

「マジ智、酒弱いよね」

智さんにからかわれながらも、相談は終わった。
帰っている間は、智さんに支えられながら歩いた。

もちろん、このことはAさんに秘密だ。