生意気な後輩。【小川智大】

最悪な昨夜 ページ20

「＿アンタ、昨日、酒に酔って俺に、その、だ、抱きついて、きた、だろ…」

途切れ途切れ話す小川はなんだか照れ臭そうだった。

可愛い一面もあるんだな、と思った。

でも＿＿


私は絶望した。

「小川くん、マジで？？」

「うん。マジ」

私が、酒の力で小川に抱きつくだと…？！

なんで？！なんでそんなことしたの？！
昨夜の私！！


私は(どうしよう、関さんとか藍くんになんか言われるかな…)

と悩んでいる間に小川はニヤニヤしていた。

「まさかAさん、照れてるとか言わないよねー？」

「言わないわよ！」

可愛い一面があるとか思った私がバカだったわ

やっぱコイツ人を馬鹿にする才能持ってんな

ていうか、私
かなり酒に強い方だと思ってたのに…

「いや、でも意外だな
酒に強いアンタが酔って男に抱きつくとか」

それは私も思ってる

「変な言い方やめてよ
男に抱きつくとか言い方なんか変じゃん？」

「ホントのことだろ？」

小川に正論をかまされた私は言葉が出なかった。

「……他に目撃者とかいる感じ？」

「んー…いたけど、教えない」

「なんでよ！いいじゃん！独り占めしないで！」

「だから独り占めってなんだよ…」

目撃者を言わないというところや、無理やり起こさないということから、小川は実は優しいのかな、と思っていた。

すると小川が＿＿


「アンタ、俺がそのままお持ち帰りしたから風呂入ってないっしょ？俺の部屋の風呂借りていいから。早く入ってきて」

前言撤回。小川、優しくない
つかお持ち帰りってなんだよ

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