嫌いな永瀬に恋をした

025 ページ25

.







「 ゆ、優太…？ 」






暗闇でよく見えない、でも優太が私に覆いかぶさるような体制なのはわかる。






「 な、なに？急にどうしたの 」







よく聞こえなかった。







………襲わ、れる？

誰に？優太に？






「 無防備。そんなんだから廉なんかに目つけられるんだって 」


「 あの 何言ってるかさっぱり、」


「 心配、なんだよ」





はあってため息をつくと優太の顔がぐんっと近づいてきた。






「 ねえ、離して 」


「 ほら、力だって弱ぇじゃん 」


「 だって優太が離してくれないからでしょ 」




何が心配なのか。

別に私はなんにもしてないじゃん。









さっき “廉” って言ってた。






これと永瀬廉は関係あるの？









「 お前、ほんと馬鹿だな 」


「 馬鹿って…優太よりは賢いし 」


「 あーーーもういい。寝るわ 」






そう言うと優太は私から離れていった。





「 ばーかばーかばーか 」




なにが馬鹿だよ。

優太のくせに。上からとか何様だっての。









視界に入ってきた優太が急に男に見えて目をそらした。






.

026→←024

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す