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推しだけが愛してくれたら。【名探偵コナン 萩原研二】____ムムチー様リクエスト ページ44

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「____あの」

話しかけられると同時にぱし、と手を掴まれる。誰だろう、と目線を上げて、思わず目を見開いた。
彼は、先日の爆破事件で命を落とすはずだった萩原さんだった。喜びで頰が緩みそうになるのを抑え、彼と向き合う。

「いきなり声をかけてすみません。この機会を逃すと、また会えなくなると思って」
「えっと、そんなに大事な用が?」
「いえ、特に用件はなくて……ただ、貴女と話がしたかったんです。あの爆破事件の後に見かけた時からずっと気になっていたので」

気になっていた? 私のことが?
疑問符を浮かべながら、彼の話を聞いていた。
だってあのとき、私はただの傍観者で、愛華が彼を救った恩人で。
シナリオ通りなら、彼は愛華と結ばれるはずなのに____。

「少し、時間をいただけませんか?」

どうして私は今、彼に誘われているんだろう。



用事を済ませた後で良かった。
そう思いながら、頼んだジュースを口に運ぶ。萩原さんの方をちらりと見ると、彼はアイスコーヒーを飲んでいた。それだけで絵になるんだから、本当にずるい。

「自己紹介がまだでしたね。俺、萩原研二っていいます」
「私はAAです」

素敵な名前ですね、と言われ、社交辞令とわかっていても頰が熱くなった。

「Aさん。単刀直入に言うと、俺は貴女に一目惚れしました」
「え?」
「よければ、俺と付き合ってください」

私の目を真っ直ぐ見つめて、彼はそう言った。
私のことを本気で好きだという気持ちが、その瞳から伝わってくる。それは決して、自惚れではなかった。

何か答えなくては、と思う。でも、思うように言葉が出てこない。唇を微かに動かして、そこで私の動きは止まった。
冷や汗がたらりと頸をつたった。

「あ、の……どうして私に、一目惚れなんか……」

やっとの思いで口にした問いに、彼はまさにきょとん、という効果音が付きそうな顔をして、やがてははっ、と笑った。

「一目惚れした理由は、俺にもはっきりとはわかりません。でも、貴女を好きな気持ちは本当です。Aさんを誘うときも、すごく緊張したんですよ」

今もしてますけど、と付け足す彼に愛おしい気持ちが溢れてくる。私だけが緊張していたんじゃなかった。彼も、私と同じだったんだ。
それが嬉しくて、思わず口が綻んだ。

「あの、萩原さん」

彼と、視線を交わらせる。
そして____。

「私でよければ、よろしくお願いします」

驚いた後、彼は心から嬉しそうに笑った。


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服部平次と遠山和葉が恋人になったら。で、自分のことのように喜ぶ毛利蘭ちゃん【名探偵コナン 遠山和葉・毛利蘭】____愛華様リクエスト(分けた方が書きやすかったので、工藤新一くんは次に書きます)→←好きな子が他の男と付き合ったら。【名探偵コナン 黒羽快斗】____リアビーバ-様リクエスト(ほぼ独白です。)



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シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時

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