チョコレート工場の新人ちゃん【チャーリーとチョコレート工場】 (ページ7)

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「ウォンカさんって一体…」

W「ん？何？」

「な、何者なんですか…」

私が言うと、ウォンカさんは、顔をしかめて「ん？」というふうに頭を傾けた。

てか、この人の素顔初めて見たな。

W「君の言ってる意味が分からないんだけど。僕はウィリーウォンカ。ここの長だよ。聞いたことない？？僕の名前」

えっ？

W「もしかして、もしかしてだけど、僕のことを人間じゃないと思ってる？君は僕が何者だと思う？宇宙人？お菓子？それともチョコレート？」

ウィリーウォンカ………。

あ！！

「え！あのチョコレート工場の工場長さんだ！！私知ってます！」

私が急に大きな声を出したもんだから、ウォンカさんはヒャッ！と声を上げて驚いて、目をパチクリさせた。

この街の人々が知らないわけない、世界で有名な人。

なんで最初気が付かなかったんだろう。

きっと寒さで思考停止してたせいかな？

W「……あのさ、急にでっかい声出すのやめてくれる？驚いて心臓が止まりかけたんだけど」

コンコンコン。

突然乾いたようなドアをノックする音が部屋に響いた。

W「入っていいよ」

ウォンカさんが、椅子に座ったままドアの方を振り返って声をかけると、ガチャリとドアが開き、さっきとは雰囲気が違う赤い服を着た小さいおじさん達が4人、大きなワゴンをごろごろと引いてこちらへやって来た。

その後ろに、さっきのピンク服の小さいおじさんもいる。

W「君、ひどくお腹空いているようだったから」

ワゴンがベッドのそばまでやって来て、銀色のトレーごとウォンカさんが手渡してくる。

トレーの上に乗ってあるのは、綺麗な黄色のスープと丸い小さめなパンが一つ、それとガラスに注がれた水。スープは出来立てなのか、湯気が上がっていた。

W「今夜のメニューは、カボチャととうもろこしのスープと、くるみパン。あと水。今更だけどアレルギーとかないよね？」

「ないです」

そう答えると、ウォンカさんは、ニコッと笑って「さ、食べて食べて」と勧めてくる。

小さいおじさん達の方を見ると、微笑んでゆっくりコクコク頷いている。

私はゴクリと唾を飲んだ。