チョコレート工場の新人ちゃん【チャーリーとチョコレート工場】 (ページ3)

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あたふたしているその人は、黒いもこもこしたロングコートに、なぜかサングラス、ボブの髪の毛の上にはシルクハットが乗ってあり、雪に負けないくらいに白い肌をした男の人。

？？「あ、君名前聞いてなかった。なんていうの？」

A「…A…」

？？「Aね。僕はウィリー・ウォンカ。ほら見える？あそこの工場の…って、そんなんしてる暇ないか。今にも死にそうだ…。いったんうちにおいで。立てる？」

そう言ってウォンカさんは手を差し伸べた。

A「無理です…」

いや見てわかるだろ。

逆になんで分からないんだ…。

W「あ、立てないのか。しょうがないな。君は。」

そう言うとウォンカさんは近寄って、私の腕を自身の肩に回し、私を抱き起こした。

しかし、身長差のあまり、立つと私の腕は彼の肩にとどかなくなり、ふらついてうまく進めない。私自力では歩けないのだ。足も痛いし…。

W「…君って身長低すぎだよね。しかもガリガリ。ご飯食べてるの？」

A「子供なので…。それにあんまり食べ物ないから…」

W「………」

すると、ウォンカさんは、私の前にしゃがんだ。

W「しょうがないなぁ。おぶってくから、早くして」

A「…いいんですか？」

W「あ、言っとくけど今日だけだからね？」

私はおんぶされると、ウォンカさんはそのまま歩き出す。

彼の背中はとても暖かく、大きかった。

揺れる髪からは、かすかにチョコレートの甘いにおいがした。