出会い編 6 ページ21
「あそこにいるじゃない。」
と、天井を指さす。すると、少女の顔にポタリと赤い液体が落ちてきた。それを少女はペロリと舐める。
「すごいねぇ...君の異能は...。」
太宰が感嘆の声をあげる。...倉庫の天井にはまるで十字架に貼り付けられているように、少女の両親が死んでいた。
「私の異能は人を殺すしか使いようがないの。」
深いため息をつくA。
「なら、ポートマフィアに来ないかい?森さんには話を通してある。」
太宰が見計らってたかのように、笑いながら手を差し伸べる。中也も少し驚いているようだ。
「私なんかでよければ。」
Aがその手をとったのは言うまでもない。これがAにとっての彼らとの出会い。この後、彼らは思い知ることになった。彼女の異能以上に彼女は恐ろしい存在だと。
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「何をしているの?」
...治が私に話しかけてくる。私は彼をじっと見つめてみる。
「そんなに見つめられたら困るねぇ。」
唐突にそんなことを言い出す治。なので、私は話題を変えることにした。
『織田作の墓参り?』
そう。私達は今、墓地にいる。待ち合わせをしていた訳でもない。私達が出会ったのは偶然だ。
「そうだよ...。君は?」
治はにこりと優しく笑いながら、私をみる。胡散臭い笑顔だ。彼の本当の笑顔を見ることはできない。
『両親よ...。夢でみたから久しぶりに来ようと思ったの。』
私が言うと、彼はにこりと笑い、私の髪を弄る。
「君のことは今でもよくわからないよ。」
と言いながら。幼馴染というよりは腐れ縁。双つの黒の内1つは白かった。もう1つも白くなろうとしている。
『あらそう。私も治のことはよく分かっていないわ。』
それを邪魔をする権利など私にはない。いや、この世界の誰にもない。邪魔をする奴は片っ端から片付けよう。
「あ、中也のところに案内してくれる?」
構わないでしょう?だって、貴方達は...
『はいはい...。』
互いに依存し合っているのだから...。
〜end〜
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華萌(プロフ) - 秋葉さん» ありがとう!あと、おっけー!わかったー! (2018年5月5日 11時) (レス) id: e0296fd304 (このIDを非表示/違反報告)
華萌(プロフ) - 秋葉さん» ありがとー! (2018年5月4日 17時) (レス) id: e0296fd304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華萌 | 作成日時:2018年5月4日 11時