【HQ】俺の彼女は世界一【短編集】

菅原孝支[dress] ページ12

今日も、クタクタだった

履きなれているはずのスニーカーに圧を受けているような

救急車3件、ヘリ4件

いつにも増して多かった要請だった

助けられたから良かったけど、この人数の半分手遅れです、とかもある

開いたスマホの画面にはデジタルで1:33の数字

救急科に配属されてからこんな日ばっかり

ポン、と目的の階に着いたことを知らせる音を聞いて我に返り、自宅を目指す

あぁ、家ついたらそのまま倒れ込みたいくらい

気を紛らわすために思考を移そう…そういえばさっきRAINが入ってた

送り主は恋人

あぁ、既読つけてそのまんまにしちゃったなあ

最近、家のところ任せっきりなのに申し訳ない

709

カードを差し込んで、いつもより重い扉を開いた

足を使ってスニーカーを雑に脱ぎ捨ててリビングに入り、一目散にソファに倒れ込む

深緑色のソファは同棲を初めてから使用し続けてるもので、本来の硬さを失って優しく受け止めてくれる


｢鈴木先生タフすぎでしょ、

私みたいなしがない看護師があんたについていけるかっつうの…

それでいて彼氏もいて可愛いって…｣


｢可愛くて彼氏がいるのはAも同じだべ？｣


｢え〜｣


返事をするのも億劫で え、の一音をただ伸ばす…え？


｢なんで孝支くん起きてるの…?!｣


｢たまには彼女が帰ってくるの待っちゃダメ？

嫌だった？

こんな姿見られたくないー、みたいな｣


｢ちっ違う、嬉しいよ？嬉しいけど…

職業柄、孝支くんははなく寝なくちゃじゃない？｣


教師をしてる孝支くんの朝は早い

配属されたのが割と遠方の学校だから余計に

救命で働く看護師の私とはなかなか顔を合わせられない


｢いーべいーべ、明日休みだし

少しくらい夜更かししても｣


孝支くんは、ペンを置くとこちらに近づいてきた

得意げな顔を見て、ハグは疲れを癒すとかうんたら、みたいな話を思い出した

疲れに抗って上半身を起こすと、私の体を起こすように優しく抱きしめてくれた


｢孝支くんは私よりも年下なのに私よりも包容力あるね｣


肩に顔を乗せてふぅと息を吐きながらそんなことを口にしてみる


｢痩せた？｣


｢ドレス、どっちがいいか決まらなくて、どっちでもいいように｣


｢えー、今のままでも充分可愛いべ｣


｢明日何する？｣


｢俺的には新居もう絞りたいなーって｣



こんな幸せがずっと続くといいのに


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雪さん、リクエストありがとうございます

大遅刻、大変申し訳ございません！！

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