dear ページ13
side R
挙式会場のチャペルには親族と地元の同級生らとメンバー。
このメンツで昼の部の披露宴をして、
YouTuberや芸能関係者は夜の部の披露宴に。
ドアが開かれて、眩しい光の中にAとお義父さんのシルエットが浮かび上がる。
影になって顔もドレスも見えない。
ヴァージンロードを一歩ずつ、一歩ずつ。
だんだん近付くほどにクリアになってくる。
「りょうくん。泣き虫な娘だけど、ヨロシクな」
歩みを止めたお義父さんが言った。
「任せてください。今日も吸水性の高いハンカチ3枚持ってます」
ハハッと笑って、それからAの手を俺に託した。
参列客も笑ってくれている。
今日は形式にとらわれずみんなが笑顔になる集いにしたいねって二人で決めたから、まずまずのスタートになったかな、
想定内というか、想定通りというか、みんなの笑顔と相反してコチラはすでに泣いている。
歩いてるうちに父親との思い出がたくさん蘇って来たんだろう。
ベールを捲り、アイメイクが取れないように目の下に優しくハンカチを当てる。
「すごく綺麗だ」
「りょうくん…」
潤んだ目で見られたら自動的にキスしたくなる…
「コラ！
今日は公式に人前でイチャイチャしても良い日ですが、段取りをすっ飛ばさないでくださーい！」
唇に触れる直前に神父姿の虫さんに分厚い聖書で頭を小突かれた。
「イッテ…」
一段高いところに立っているからちっちゃな虫さんでもちゃんと頭にクリーンヒットした。
「ハイハイ、始めますよ。
えー、僕は神でも神父でも何でもないですが、今日は二人の愛を確認するためにやって来ました。
りょうもAもウチの大事な戦力なのでね、中途半端な気持ちで結婚していただくわけにはいかんのですよ」
「そーだそーだー！」
メンバーたちからも声が上がる。
「というわけで、病めるときも健やかなるときも…まぁなんやらかんやら、一切合切、まとめて！
…ずぇぇぇぇっったいにずーーっと愛することを、ここに居る全員に誓いますか？」
みんなの顔を見渡す。笑顔でいっぱいだ。
Aと顔を見合わせて言った。
「「…誓います！」」
「……ハイッ！
じゃあもう僕の仕事は終わったんで、あとは好きにチュッチュしてくださーい！
みなさーん、シャッターチャンスですよ！」
みんなが押し寄せてカメラを向ける。
照れてるキミの耳元でこう囁いて、キスをした。
「愛してるよ。福尾Aさん」
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SOPHY(プロフ) - みいさん» ありがとうございます！！みぃさんのコメントで幸せいっぱいになりました(〃∇〃) (7月25日 11時) (
レス) id: c899c159b0 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 素敵やお話で一気に読ませていただきました！読んでいて幸せな気持ちでいっぱいです。ありがとうございました！ (7月23日 22時) (レス) @page14 id: 206897991a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SOPHY | 作成日時：2022年10月13日 3時
