41話 待ち合わせ ページ44
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『(_____結局、これと言った収穫は月英さんから頂いた情報くらいだったな……)』
人との対話や交渉が必要不可欠となる情報収集という任務に置いて、人と話すのが得意ではない……むしろ苦手ですらある私は、すっかり疲弊してしまっていた。
霞柱様が最初の件以来 別行動をした方がいいと申し出て来たので任務は結局別々にこなしたし、実質一日中1人でいたようなものだ。
『……』
別れ際、日暮れ前に月英さんのお店に集合して宿に向かおうと伝えたので、今も絶賛待っている最中なのだが、一向に彼が現れる気配がない。
まさか鬼にでも襲われているのだろうか、む…でも彼ほどの強さなら並大抵の鬼じゃ足止めすら叶わないだろうし、下弦程度の強さの鬼でも現れたのかな。
でもそれなら恐らく1番近い位置にいるであろう私に鴉から伝達が来るはずだし、鴉共々襲われたりしない限りそれはないか
『……』
……待て、その可能性は無きにしも非ずなのでは?
『(柱が時間通りに集合場所に来ないなんて絶対おかしい。私の予測通り、何かあったのかもしれない)』
とりあえず近辺を捜索してみたらどうだろう。
もしかしたら近くまで来ているかもしれないし。
そう思って足を進めようとすると、突然後ろの誰かから声がかかった。
「ねぇ、どこか行くの?」
霞柱様の声だ、よかった。でも誰かが歩いてくる気配なんてなかったような……と思いながら振り返ると、大きな風呂敷を抱えた彼が怪訝そうな顔をして
佇んでいた。
『それは……』
「…………ああ、」
風呂敷に視線を送りながら問うと、霞柱様は月英さんのお店を指差しながら言った。
「先について君を待ってたらくれたよ。よく覚えて
ないけど、何かお礼を言ってたような気がする」
なるほど、霞柱様は店内にいたのか。
だから歩行の気配もしなかったんだ、確かに別れる際に店の外で、と言うのを忘れていたかもしれない。
『……そうですか。では行きましょう』
「…………うん」
あ、珍しく相槌を打ったな。
いや、もしかしたらこの任務が始まってから初めて彼の相槌の言葉を聞いたかもしれない。
ちら、と隣を歩く彼を見てみる。
風呂敷いっぱいの和菓子を抱えている霞柱様なんてこの先見れる機会はきっとないんだろうなと思うと
少しだけ月夜に善逸くんとお話した時みたいな、得体の知れないふわふわした気持ちになった。
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時