雪は白いが君は死ね【時透無一郎】

40話 憎たらしい奴 ページ43

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『…でも大丈夫。貴方が快く協力してくだされば、私達は全力で貴方達一般市民を守ります。』

「…………はい……」


青ざめた顔で返事をする月英さん。

霞柱様はいつの間にか晴さんの腕を離していた。









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『__________では、ありがとうございました。
　それでは。』


ぺこりと一礼してから、暖簾をくぐって店を出た。
外では霞柱様がまたもや不機嫌そうに待機していて、また何か失礼な態度をとったら面倒なことになりかねないからと店の中から追いやったのは間違いだっただろうか、と頭の中で少し後悔した。


『お待たせして申し訳ありません』

「……情報は？」


聞いて、ひとりでに歩き出す彼。……そういった独走癖は直したほうがいいのではないか。いや、別に彼と親しげにしたいという訳でも無いのだけど。


『そうですね、まずは今夜の宿泊先に向かいましょう。そこでゆっくりお教えします』

「…またあの藤の花の家紋の家に行くの？
君と2度も同胞なんて嫌なんだけど」

『……ご安心を。それは私も御免こうむりますので』


バチバチと私達の間に火花が散る。
昨日のあれはほぼ不可抗力のようなもので、別に好きで同じ布団で寝たでは無いのに何だその言い草は……本当にいちいち癇に障る柱だな……


『(……あ、でも、これが憎たらしいといった感情だろうか……？)』


今まで感じたことのなかった思いに、少しの感嘆を馳せながら、私達は次の情報収集先へと向かった。









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