12話 月夜に君と会う ページ14
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「A?」
人を高揚させる効果があるらしい産屋敷殿の言葉でハッとした。
『……いえ、』
竈門少年との初めての出会いは何故かくっきりと記憶に残っていたのだ。
『産屋敷殿。体調はもう良いのですか』
「ああ、それよりも、Aは炭治郎のことが気になるのかい?」
『……どうして、』
「ただの勘だよ」
__気になるとは少し違うのだろう。
ただ、彼は…竈門少年からは少し不思議な気配がする。今まで感じたことがない気配…強いて言うなら温かくて……光源のような、力強い生命のような、優しい海のような、何かが。
『…あの、』
「失礼致します。耀哉様、本日は体調を崩されておりました故、もうお休みになった方が宜しいかと」
「ああ、わかったよ。A、すまないが話はいつかちゃんと聞くからね。明日の任務の無事を祈るよ」
『…………ありがとうございます』
あまね様と寝室に戻る産屋敷殿に会釈をして、私も用意された寝室へと戻ろうと廊下へ出た。
吹き抜けになっている廊下では夜風が良い感じに吹いていてとても心地よい。今夜は美しい月夜だ。
『……』
産屋敷殿は私の姿が見えないはずなのに美しいと褒めて下さるが、人間の見目の美しさなんて気にならない。鬼殺隊ならなおさらそうだろう。いつ死ぬかもわからない身で恋愛など出来ない上、一般人を助ける時は優先順位の高い者から助ける、美しいかどうかは関係ない。しかも若くて見目がいいと鬼に狙われやすいのだ。
……それに、私は自分の容姿を美しいとは思わない。皆は綺麗だと言うけど、生まれ持った白銀の髪や蒼い瞳なんて嬉しくない。皆は可憐だというけれど、この弱々しく細い腕や血色が悪くて青白い肌も、鬼殺隊士として情けないと思う。
『?』
廊下の突き当たり手前の部屋に灯りがついている。
『(ここに来るまで気づかなかった)』
誰だろうか、もしかして竈門少年かな。
だとしたら先程の話の続きが出来るのではないかと思い、静かに部屋の様子を伺った。
「……何?」
そこにいたのは竈門少年などではなかった。
彼は_____齢14歳にして鬼殺隊士となり2ヶ月で柱にまで昇進した天才剣士。
『霞柱様……』
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ほしいも(*^^*)(プロフ) - 設定めっちゃ自分の好みでした!(笑)更新少しずつでいいので頑張ってください〜!😁 (12月13日 16時) (レス) @page40 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 空桜さん» そう言っていただけて嬉しいです!それに、私以外にも頑張っている方がいらっしゃるのだと思うと少し肩の力が抜ける気がします(´˘`*) 試験頑張ってください。応援しています (2019年9月23日 1時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 待ってますね!私も就職試験あります。お互い頑張りましょう! (2019年9月23日 1時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
向汰(プロフ) - 何卒さん» ありがとうございます〜〜!気長にお待ちください(´˘`*) (2019年9月22日 21時) (レス) id: 1112aaa288 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - めっちゃ気になるところで終わってしまってウズウズしてます。笑 続き楽しみにしています! (2019年9月21日 1時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向汰 | 作成日時:2019年8月25日 1時