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「へーそれで、トップアイドルの貴重な休み取るとか先輩図々しいですね」
「うるさいな!いい方法が思いつかなかったんだよ!!」
外にいると目立つので、近くのカフェに入った。
抹茶ラテうまい。
「なんか、それ苔みたいですね」
「お願いだからそういうの店内で言わないで」
同じように抹茶ラテ飲んでる人がいたらどうするの!!
「今日休みなの?」
「午後から休みになったんです。なんかうちの事務所と八乙女事務所がもめたらしくて、俺降板です」
「ぶっ」
「うわ、きたなっ」
さらっと言ってますけど、降板って!?
「だ、大丈夫なの!?」
「まあ、大丈夫じゃないですか?」
最後によく分からないですけど、ってつきそうなくらい他人事のように話す臣。
大丈夫じゃないよ、それ。
「なんでも、俺をTRIGGERのバックダンサーにって話がなくなったみたいで、俺の事務所カンカンに怒ってます。別にどうでもいいのに」
「……臣ってさ、なんでプロのダンサーになったの?」
普通であれば怒る、はずだ。たぶん。
臣はダンスの世界大会でも優勝した実力を持つ。
ダンスが好き、なんだろう。そうでなければプロにならないと思う。
俺がそう聞くと、ニヒルな笑みを浮かべた臣が耳を貸せとジェスチャーする。
仕方なく耳を貸す。
「先輩をこっちに引きずり出す為です」
「……はあ」
何言ってんだろこいつ。
反応に困ってそう言うしかなかった。
すると、臣が反応薄っと言って笑う。
「せんぱーい、結構頑張って告ったんですけどー」
「悪い、お前の気持ちには答えられない」
「えー、先輩に振られるとか人生の汚点」
「はー?好きになったお前が悪いだろうが」
いつものように笑いながら、冗談かと俺は一口抹茶ラテを飲んだ。
ふと、臣が外を見た。瞬間バンッと机をたたく。
ちょっとコーヒーこぼしたよ、何やってんの。
備え付けの紙を取ろうとしたら、臣が俺の名を呼んだ。
「会計しますよ!!」
「え?は?いや、まだ飲み終わってな……」
「いいからこい!!」
敬語の外れた臣が怒鳴るようにそう言って俺の腕を掴む。
ただならぬ雰囲気にお、おうっといって臣についていく。うん、手離して。手つないでカップルに見えてるから。
あそこの一角にいる女の子の集団がすごく興奮してるから離して!!
しかし、店内を出たとたん彼は走り出した。
びっくりして引きずられるように引っ張られる俺。
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隣の住人E(プロフ) - 春夏秋冬七夕さん» こんばんは!コメントの返信が遅くなってすみません!!ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。また、楽しく読んでいただけてとてもうれしいです。それでは失礼します!! (2017年11月4日 18時) (レス) id: 6abf6c0f46 (このIDを非表示/違反報告)
春夏秋冬七夕(プロフ) - 楽しく読ませていただきました!あと、24話の天が点になってませんか?間違ってたらすみません… (2017年9月20日 22時) (レス) id: 155d222f9b (このIDを非表示/違反報告)
隣の住人E(プロフ) - イルミルキルアルカルマ君大好きだよ!さん» コメントありがとうございます!本当に嬉しいです!!今パソコン使えないので、第2部開始は次の平日になると思います。携帯だとうまく出来なくて……。それまで待っていただけると嬉しいです!! (2016年3月20日 10時) (レス) id: 4f67c8fde2 (このIDを非表示/違反報告)
イルミルキルアルカルマ君大好きだよ!(プロフ) - 面白かったです!第二部、楽しみにしてます!! (2016年3月20日 9時) (レス) id: ca685d836f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:隣の住人Eさん | 作成日時:2016年3月10日 16時