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39話 ページ8

その後、太田先生を急いで呼びに行った俺は彼女を診てもらった。

命に別状はないらしいが念の為安静にしておくようにと言われる。

少し、ほっとした。

これで何かあったら大変だ。

中途半端に助けて貰った人の気持ちは痛いほど分かる。

自分がされて嫌なことはできるだけしたくない。

責任を持って彼女の傷が癒えるまでは世話をしよう。

そう決意した矢先に白子さんが粥を作り始めたので空くんと俺で必死に止めた。

怪我人に白子さんの料理はあまりにも刺激が強すぎる。

今は、白子さんに彼女の様子を見てもらい空くんと粥を作る。

まぁ、並んで作るということになるが俺は違和感を感じた。

なんというか、そのう、空くん大きくなった?

…………。

「うわぁぁぁぁあ!」
「!?」

なんてこった!!

成長期か、そうなのか!?

あぁ、ついに、ついに身長越された!!

急に叫んだ俺に空くんが戸惑いの表情を浮かべた。

「Aさん。どうかしたんですか?」
「身長……」
「は……?」
「身長……越された……」
「え?」

空くんが首をかしげつつ俺を見る。

それから、あ、っと呟いた。

「本当だ。気づかなかった」

気づかないなんて!!

俺はすぐに分かったぞ!?

あれ?なんか肩の位置ちょっと高くなってね?てな!!

「お、俺だってまだ成長期だし……」

まだ望みは捨ててない。

まだ伸びると信じる!!

ふと、くすりと笑い声がした。

勿論それは空くん以外の何者でもなくて。

俺はじとっと空くんを睨んだ。

「何笑ってんの……」
「あ。つい……」
「こ、このやろう……っ!!」

頭を掴んで全体重を掛けようとした手が宙で不自然に止まった。

何を……しようとしてるんだ俺は。

「?Aさん?」
「くそっ、縮め!!」
「え。嫌ですよ」

くるりと釜戸の方に向かいお粥を見る。

ちらりと空くんを見ると彼は笑っていた。

そして、俺は視線を逸らす。

「Aさん」
「何?」
「何でもないです」
「なんなのこの子!!」









たわいもないやりとりのはずなのに何でこんなにも肝が冷えるんだろう。

顔色を伺って、何を安心しているんだろう。

きっともう俺は。

この方に前のような接し方ができないからか。

それとも、この方がーーーーーー。









恐ろしいからか。

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設定タグ:曇天に笑う , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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隣の住人Eさん(プロフ) - 紅帆さん» コメントありがとうございます面白い、素敵な作品と言ってくれて本当に嬉しいです(*´∀`*)番外編、頑張って更新しますので是非見てください!長らくお付き合いありがとうございました!! (2015年3月3日 6時) (レス) id: 1f53714272 (このIDを非表示/違反報告)
紅帆 - とても面白かったです(≧▽≦)素敵な作品をありがとうございました!番外編も楽しみにしてます。 (2015年3月3日 2時) (レス) id: 01156b7467 (このIDを非表示/違反報告)
隣の住人Eさん(プロフ) - 浅兎さん» コメントありがとうございます!!完結することが出来て、わたし自身も嬉しい限りです!!体には十分気をつけますね。心配して下さって本当にありがとうございます!!番外編に力を注ぎますのでどうぞ見てください!長らくお付き合いありがとうございました!! (2015年3月2日 23時) (レス) id: 1f53714272 (このIDを非表示/違反報告)
浅兎(プロフ) - 完結おめでとうございます!!最後まで本当に面白かったです!番外編も楽しみにしてます これからも身体に気をつけ頑張って下さい お疲れ様でした!! (2015年3月2日 23時) (レス) id: d77a3c3a37 (このIDを非表示/違反報告)
隣の住人Eさん(プロフ) - 吹雪奏来さん» コメントありがとうございます!楽しんで読んでくれたら本当に嬉しい限りです!!早速番外編を今しがた更新しましたのでどうぞ見てってください!!長らくお付き合いありがとうございました! (2015年3月2日 23時) (レス) id: 1f53714272 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:隣の住人Eさん | 作成日時:2015年1月6日 12時

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