74話 ページ47
鼻につく薬品の匂いに、んっと俺の声が漏れる。
ゆっくりと目を開けると眩い光にくらりと目眩を覚えた。
「あ…？」
ここどこだ…？
体を起こすと筋肉が固まっているのか少し動きづらい。
キョロキョロと周りを見渡してここが病院の一室だと知る。
「生きてる…んだよね」
大きく深呼吸をして、笑った。
生きてる。
生きてるんだ、俺。
そう実感した時、廊下の方から話し声がした。
聞き覚えのあるその声にくすりと笑みがこぼれる。
あの扉が開いたとき俺は彼らになんて言おうか。
いや、そんなの決まってる。
「兄貴！宙太郎！病院なんだから静かにしろ！」
「えー」
「えーっス」
「次男坊の言う事聞けよお前ら」
「相変わらずですね」
ゆっくりと扉が開く。
俺の頬は緩みきっていて多分だらしない。
「天火さん、空くん、宙太くん、比良裏、錦ちゃん。ただいま！」
ニッコリと笑う俺に彼らはぽかんとして、それからは阿鼻叫喚の如くいろんな声が混じりあった。
「Aさん！！」
「A兄いいいいいいいいいいい！！」
「うおおお！Aが起きたァァァァァ！！」
「この野郎、心配かけさせやがって！！」
「A様っ！！」
「ちょっ、まって、いっぺんに抱きつかないで！！」
抱きつかれてもみくちゃにされながらもやっぱり嬉しい気持ちが勝ってそれから、涙がこぼれ落ちて。
帰ってきたんだと実感した。
「生きて、て。本当によかったです…っ」
「ごめんね、空くん」
「A兄いい！いなくなったらいやっス！！」
「うん、ごめん」
「死んだら呪ってやろうと思ったぜ！！」
「それは、嫌ですね」
「A様。私、私…っ」
「本当にごめんね」
一人一人真摯に答える。
「A」
比良裏が俺の名を呼ぶ。
俺は、ふっと顔を上げて彼を見た。
「まだお前は、死にたいか？」
俺は、ゆるく頭を振った。
「生きたい…死んだら今度は…なんてもう望まない。今、俺は生きたいとおもうよ」
「そうか…」
にかっと笑って比良裏が頭をなでた。
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隣の住人Eさん(プロフ) - 紅帆さん» コメントありがとうございます面白い、素敵な作品と言ってくれて本当に嬉しいです(*´∀｀*)番外編、頑張って更新しますので是非見てください！長らくお付き合いありがとうございました！！ (2015年3月3日 6時) (
レス) id: 1f53714272 (このIDを非表示/違反報告)
紅帆 - とても面白かったです(≧▽≦)素敵な作品をありがとうございました！番外編も楽しみにしてます。 (2015年3月3日 2時) (レス) id: 01156b7467 (このIDを非表示/違反報告)
隣の住人Eさん(プロフ) - 浅兎さん» コメントありがとうございます！！完結することが出来て、わたし自身も嬉しい限りです！！体には十分気をつけますね。心配して下さって本当にありがとうございます！！番外編に力を注ぎますのでどうぞ見てください！長らくお付き合いありがとうございました！！ (2015年3月2日 23時) (レス) id: 1f53714272 (このIDを非表示/違反報告)
浅兎(プロフ) - 完結おめでとうございます！！最後まで本当に面白かったです!番外編も楽しみにしてます これからも身体に気をつけ頑張って下さい お疲れ様でした！！ (2015年3月2日 23時) (レス) id: d77a3c3a37 (このIDを非表示/違反報告)
隣の住人Eさん(プロフ) - 吹雪奏来さん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでくれたら本当に嬉しい限りです！！早速番外編を今しがた更新しましたのでどうぞ見てってください！！長らくお付き合いありがとうございました！ (2015年3月2日 23時) (レス) id: 1f53714272 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：隣の住人Eさん | 作成日時：2015年1月6日 12時
