今世紀最大の失態 ４ ページ31
「さっきぶりですね」
「そうですね」
どう切り返そうか迷っていると天様があっと呟いてポケットから黒い革の手帳を出す。俺は笑顔のまま固まる。見覚えのあるそれに冷や汗が止まらない。
「これ、さっき角でぶつかったところに落ちていたんですが、出雲さんのですよね？時間なくて後から返そうと思ったんですが…」
「…はい。それ私のです。あの、中身…」
「すみません、確認のため少し拝見させていただきました」
顔を手で覆い隠したかったがここで動揺してはいけない。少しって言っていたから希望はある。
「拾ってくださってありが……」
「あとこのライブチケットの半券って出雲さんのですか？同じ場所に落ちてたんですが…」
今度こそ顔を手で覆った。もうだめみたいだ。これ完全にばれた。隠し通すのも無理なので正直に話す。
「お、俺のです…」
「そうなんですか。アイドルお好きなんですね」
「う、はい…」
手帳とともにその半券も渡されて俺はそれを震える手で受け取ったが、天様がその手帳を離してくれない。冷や汗が流れる。死にそうなんだけど俺。
「ところで、このこと知ってるのはほかにどなたが？」
「え、梓と八尋ぐらいですが…？」
「……そうですか。出雲さんがアイドル好きなのを隠していらっしゃるようなのでボクも誰にも言いませんよ。安心してください」
「いや、そこは信用しています…」
かなり重度のアイドルファンだってばれたらですね。色々他のアイドルたちに距離置かれたり、それがプレッシャーになったりするかもしれないんですよ。というか、純粋な気持ちで接してないんですよ！！
あー可愛い！！いい匂いする！！やべぇ死ぬ！！あああああ！みたいなハイテンションなのが常にテレビ局にいるってなったら絶対疲れるって。俺だったら黙れうるさい！！ってきれるよ！？
「これから出来るだけ近寄らないようにしますね」
「え、どうしてですか？」
「いや、近くにファンがいたら疲れると思いますし」
「ボクは嬉しいですよ。TRIGGERの番組とかグッズとかも集めてもらっているようですし」
「いや、その、すみません！！俺そんな天様が考える純粋なファンじゃないんです！！次のライブ見に行くので楽しみにしています！それではありがとうございました。失礼します！！」
空気が耐えられずに、俺は手帳と半券を奪うように無理やり取って梓と八尋のいる楽屋までダッシュした。
ああ、どうしよう。これからどう天様に接すればいいんだ……。
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隣の住人E(プロフ) - 來飛さん» コメントの返信が遅くなってしまいすみませんでした！！無事に完結いたしましたのでぜひ拝読よろしくお願いします。 (2016年11月13日 23時) (
レス) id: 6abf6c0f46 (このIDを非表示/違反報告)
來飛 - とても面白かったです！更新頑張ってください！応援しています！ (2016年10月30日 12時) (レス) id: 1f9f56f521 (このIDを非表示/違反報告)
さかこ(プロフ) - 名前無しさん» ありがとうございます！ぼちぼちになりますが頑張ります！！ (2016年8月16日 21時) (レス) id: 83c9e401f7 (このIDを非表示/違反報告)
名前無し - とても面白いです！！ 更新頑張って下さい！ (2016年8月16日 17時) (レス) id: 21dac15c14 (このIDを非表示/違反報告)
そーちゃん - 続きが気になります。頑張ってください。 (2016年7月15日 20時) (レス) id: 42a98c0758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：隣の住人E さかこ x他1人 | 作成日時：2016年5月30日 18時
