em×uk【教授とスキマの隙間時間】 ページ19
【No.side】
むかし、
都会からは離れ、
人里には近い。
閑静さと活気を、兼ね備えた土地の一隅に
一つの大学があった。
「忙しい、凄く忙しい、死ぬ。
これ絶対過労死する…。」
その構内でのたうち回りながら
仕事に明け暮れる、
一人の研究者の姿があった。
「あの研究会への準備とその講演会への出席とあっちの提出書類に、こっちの論文と、
そっちの報告書…
無理だろ……。体は一つなんだよ。」
追い詰められる精神、迫りくる〆切。
この苦境は
彼にとっては日常茶飯事であり
その対処法も洗礼されていた。
「よし、これは一休みだな、」
現実からの逃走である。
流れるような動作で、仕事の山から転進。
戦士の休息によく似合う
苦めのコーヒーを淹れようとした時、
『お邪魔します。』
「帰って下さい。」
『質問があるんです。』
「今忙しいので。」
『では、コーヒーの時間だけでも。』
「しょうがない…その時間だけだぞ……」
『有り難う御座います、』
この闖入者は
彼の授業の最前列に出席しては
堂々と質問し、堂々と内職をし、
堂々と居眠りをするという。
学生の、
『八雲(やくも)紫(ゆかり)』という者である。
始末に負えない学生に見えるが
これでそれなりに成績が良いので、
全くの宝の持ち腐れである。
彼女は彼、「エーミール」教授に懐いており、
夢は教授の助手、もしくは手伝いであった。
だが、それは無理な夢だった。
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アルカス(プロフ) - ありがとうございます！コメントしましたが、検索除けに不備がありましたので削除させていただきました。大変申し訳ございません。このコメントも削除してしまって構いません！てか最高です。ありがとうございます。待ってます！ (2021年8月31日 18時) (
レス) id: 0f8c3927f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も亡き堕天使 | 作成日時：2021年8月28日 14時
