三十三話 ページ34
あの後、高巻さんに三島さんたちが謝っているところを見た
私は声をかける勇気もなく教室に戻った
「勇気も何もない私って･･･」
─────────
「ただいま･･･」
「果穂様が呼んでるわ
さっさと行きなさい」
「わ、わかりました･･･」
どうしたんだろ･･･
お母様が呼び出すって･･･もしかして私･･･何かした･･･？
私は早足でお母さんがいる部屋へと向かう
「･･･失礼･･･します･･･」
「･･･遅かったわね」
「す、すみません!!」
バッと頭を下げ謝る
「まあいいわ
それよりもいい話があるわ」
「いい話･･･ですか･･･？」
「そう、芸能界のお偉さんにアンタの写真を見せたら気に入られちゃってね
それでこう言われたの
�犒�の娘さんを私にくれないか？″とね」
「え、、、
･･･そ、それでお母様はなんて言ったんですか･･･？」
「もちろんOKしたわ」
「う、嘘ですよね･･･？」
「嘘じゃないわ
喜びなさい、役立たずのアンタがやっと役に立てるのよ」
なんで･･･何でそんなこと･･･
「だからもうアンタに暴力を振るうのはやめるわ
大事な商品に傷がつくのは嫌だもの
あ、それと外出禁止は取り消すわ」
しょう･･･ひん･･･？
「っ･･･お、お父様は･･･お父様はなんて言ってましたか」
「あー、あの人には言ってないわ
言ったら拒否されるもの
だから･･･言わないでちょうだいね？」
「･･･わかり･･･ました･･･」
「ふふっ聞き分けのいい子は好きよ」
「失礼･･･しました･･･」
私はふらふらと足がおぼつかない足取りで自分の部屋に入りベッドに倒れる
「はは、暴力の次は売られるって･･･」
お父様はお仕事で忙しいから･･･
だから私のことなんかで色々困らせたらダメ
お仕事に支障をきたしちゃうかもしれないから･･･
私の生きてる意味ってなんだろう･･･
「死んだほうがマシかも･･･
･･･近くに大きな橋があったよね･･･
そこなら･･･」
─────────
大きな橋がある場所にたどり着き下を見下ろす
結構･･･高いな･･･
「･･･はは･･･本当に馬鹿みたいな人生だったよ
まるで･･･神様がそう決めたみたいな･･･」
今まで我慢してきたけどもう･･･無理みたい･･･
そんなに楽しくない人生だったよ
「さよなら」
そう言って私は身を投げた
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作者名：いそ x他1人 | 作成日時：2022年4月23日 17時
