願わくば…【進撃の巨人】2

・ ページ8

･





ミカサは私に一言入れてからその場を離れた。


確かに、さっきよくよくミカサのズボンを観察すれば内腿辺りに僅かに汚れがあった。


会話の内容からして月の物で間違いないだろう。


成程、リヴァイはダメで私がいい理由は性別か。




「よく気付いたねぇ〜！普通男の人ってあーゆーの気づかないでしょ？私も気付かなかったくらいだし！」




『俺の好きな人も良く自分の事を隠そうとするんです。
だから、本人以上に俺が見とかないと、って…。
鎮痛剤多めに持ってるのもそのせいです。』




「へぇ〜やっぱその好きな人ってアニ・レオンハート、だよね？
アルミンも言ってたし！」



『はい。俺の大事で大切で愛してる人です。』




まっすぐ、物凄く真剣が伝わる表情で私の目を見て言ったAの姿は、そこに嘘偽りが無いことを自ら証明しているようだった。



好きな人が疑われているこの状況、普通なら嫌がって私たちに協力してくれないのも有り得るのに…私たちに敵意を向けてても可笑しくないのに…

Aの人が良いと言うのはアルミンやエレンが言うだけのことはあると、実感した。




「疑い晴れるといいね」



『はい。』






それからミカサが戻ってくるまでの間、世間話をした。



と言ってもAがアニのどこを好きなのかを一方的に聞いて、私の巨人への愛を一方的に話しただけだけれども。




巨人の話に相槌を入れながら会話してくれたのはAが初めてで、好感度が上がったことは言うまでもない。



その時の熱量は戻ってきたミカサが引くくらいだった。




ミカサへの用はこれだけだったらしく、3人揃って部屋へ戻る。


私の機嫌がすこぶるいいのを目の当たりにして、エルヴィンとリヴァイは更に眉を顰めてたのウケる。



2人も元の席に座り、話の内容は何なのか、と聞かれるのを事情を話さずのらりくらり誤魔化してるAの姿を見て、そのさりげなさに好感度がまたもや上がったのは言うまでもない。






･

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す