・ ほんの少しpinkかも……? ページ32
.
「A……?」
俺の頭上から、アニの不安という気持ちを詰め込んだような少し震えた声が聞こえてくる。
でも、俺はそれをやめようとはせずに、そのままアニの首筋に音を立てないように吸い付いた。
鎖骨に近い、皮膚の薄い首は、いとも簡単に赤い花を咲かせた。
「……っ、」
息を飲むような、声にならない声が耳に入る。
キスマークとはいえ、結局は内出血だ。
俺自身の手でアニの身体に傷を付けていると思うと、凄く申し訳なく思う。
それと同時に、この印が着いたアニは、俺の所有物なのだという独占欲がふつふつと湧いて出た。
「何、したの……」
今までそういうことに触れてきていないのか、俺がキスマークをつけた事を理解していなかった。
それはそれですごく可愛い。
『アニが、俺のものだっていう印をつけたんだ。』
「しるし……?」
初めてにしては綺麗についたキスマークを、近くにあった鏡でアニに見せる。
最初何か分からなかったアニの顔は、言葉の意味を理解したのか、徐々に顔が赤くなっていった。
『かぁわいい……』ボソッ
心の声が小さく漏れ出るも、アニは自分に付けられたキスマにしか目がいっていないようで、俺の声は聞こえていなかった。
聞こえていてくれても良かったんだが。
照れているアニから鏡を奪い、赤く染った頬に手を滑らす。
『首だけじゃない。この服の下、胸にも、お腹にも、太腿にも、アニの身体中にこの印をつけたい。』
「え、……ぁ…、」
『首だけで恥ずかしがってたらこの先どうするの?』
「ま、まって…」
俺の胸板をぐっ、と押すアニの手には全然力がこもっていなかった。
本気のアニなら、殴るでも蹴るでも、それこそアニの膝の位置にある俺の急所を蹴ればこの状況から逃れることが出来る。
なのにそれをしないのは…今の待っては本心じゃない、ってことだろう。
それにしたって、一言やめてと言えば辞めるのに。
.
136人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
く - く (3月20日 20時) (レス) id: 568dfd9108 (このIDを非表示/違反報告)
もっちりパンダ(プロフ) - 更新ありがとうございます😊 楽しみに待ってます! 頑張ってください。 (2月4日 23時) (レス) @page21 id: 55730a40a9 (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - なんというか!もう,最高です♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪ 次は夢主くんの無双劇か,夢主くんの巨人化かな?って思ったりしてて,めっちゃワクワクしてます! 次の投稿も頑張ってください! (1月28日 14時) (レス) @page18 id: 67da7e264d (このIDを非表示/違反報告)
ら(プロフ) - 更新ありがとうござます😭🌟最後、わー!!!って声が出ました笑笑続き楽しみすぎます頑張ってください⸜🙌🏻⸝ (1月27日 21時) (レス) @page17 id: 380a0df348 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - わ〜!!更新ありがとうございます!!アニー!!!これからどうなるのか凄く楽しみです✨男主の無双始まるのかな!?ワクワクしてます😳💗 (1月26日 16時) (レス) @page18 id: 27f29b5b0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:五月雨雫 | 作成日時:2023年11月25日 12時