願わくば…【進撃の巨人】2

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ここに到着するまでの3日、アニは一度も目を覚まさなかった。



定期的に水分は取らせているも、唸り声をたまに上げるだけで、目覚める気配がない。



本来ならあの時点で硬質化の結晶の中に閉じこもってしまうのだし、このまま4年ほど眠ってしまうのだろうか。



そんな不安を思いながらも、アニを馬に一旦預け、北部地区の内門を閉めた。



5年、動かしていない扉は、ガガゴゴゴッと音を立てるも、壊れてなどいなく綺麗にしまった。



ライナーはシガンシナ区の内門を壊したあと直ぐに巨人化を解いたのだろう。


全部の地区の壁を破壊していなくて良かったと思った。



今の音に反応した、北部地区に閉じ込めた巨人が俺の方へ向かってくる。



俺は残り少ないガスを使い、立体機動で複数体の巨人を殺した。




巨人が居なくなったことを確認した俺は、比較的まともな家に入り、軽くホコリなどを払って掃除した。



そして馬とアニをリフトでおろし、掃除した家のベッドへアニを寝かせた。


安心しきったのだろう。


アニを寝かせ、手を握ったまま、ベッドにうつ伏せにもたれ掛かるように床に座って眠ってしまった。










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アニside



重たい瞼を開ければ、想像していた光景とは随分違っていた。


私はあのまま死ぬんだと思ったし、もし生きていたとしても捕まって拷 問される未来しか無かっただろう。



なのに、私の視界に映る景色は、普通の家の天井に見える。



そして、視界に入る窓から見えるのはオレンジになった空。



左手に何かを掴んでいる様な違和感があり、見ようと身体を起こした。




「っ…！？」




私の視界に見えるのは、綺麗な金髪、私と同じ憲兵団の兵服を着ている、私が殺してしまった筈の人。




「…なんで、どうして…」




私の手を握る手は冷たくて、死んでしまっているのではないか。


そう思った。




ここが何処だとか、あの後どうなったかとかそんなことどうでもいい。



繋いだ手から聞こえる脈の音があるだけで、Aが生きているだけで、そんなことどうでも良くなった。







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