願わくば…【進撃の巨人】2

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日が落ち、遠くから馬の足音や川を通る船の出る音が聞こえる。



ローゼが突破されたという通達が入ったのだろう。



住民が全員カラネス区から出たのを確認してから、俺は馬に再度乗り、ゆっくり歩かせながら街へ入った。



食料や寝袋、その他持って行けるものを持てるだけ持ち、リフトへ向かう。



どの外門にもリフトは着いてあり、人のいないカラネス区では自由に使えたので、有難く使わせて貰った。



アニを乗せた馬ごとリフトに入り、壁を越える。



俺は松明に火をつけ、ウォール・マリアに向かった。






今日は新月じゃない。


太陽の光を糧に動いている巨人は、微量の太陽の光で動き出すかもしれない。


ウトガルド城に現れた巨人達もそうだった。



アレはジークが作り出したから特例なのかもしれないが、それでも可能性があるのだから用心するに越したことはない。




ここはもう壁外。



敵の領域。




こんな、5m先も見えない暗闇の中でどこから巨人が襲ってくるかも分からない状況。



ここは東よりのシーナ内。


南程では無いが巨人もいるだろう。





俺は一晩中神経を削りながらシーナの壁を目指した。














結果として朝方になる頃、名前も知らない東の出っ張り地区へと着いた。



カラネス区の時と同様、壊れていなかったリフトを起動し、壁上へと上がる。



壁の上までは巨人は来ない。


俺は安心してゆっくり馬を歩かせた。




俺の目的地は元ウォール・マリアにある北部の出っ張った街だ。




クィンタ区以外は壊滅とされていたはずのその地区に、俺らが生活出来る場があるのかは不明だが、



巨人は楽園送りの処刑台のある南からやってくる。



なら1番北は巨人の数もシガンシナ区程多くは無いだろう。



内門が壊されていないのを祈り、馬の足を進めた。



――





それからまる2日程時間をかけ壁上を馬で歩き、ようやく目的地へと到着した。



馬が疲れないように歩いたのは良いが、俺は計3日ほど睡眠をとっていない。



巨人が来ない状況なのだから、休めば良かったが、眠っている間にアニが死んでしまっていたりしたらと考えると、一睡も出来ないのだ。










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