願わくば…【進撃の巨人】2

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No side




女型の巨人ことアニは、自由であった足を振り回し、調査兵団の拘束から抜け出した。


修復もすんだアニが再びエレン奪還へ向かおうとした時、エレンがいた地下通路辺りが大きな音を立て光を放った。


エレンがようやく巨人化したのだ。




エレンはすぐに女型の元へ向かい、ストレートをかます。


体制を崩した女型は、祈りを捧げる協会の元へ倒れ込み、建物をいとも容易く崩壊させた。



遮蔽物の無い平地へ移動し、立体機動装置で邪魔されないようエレンとの1対1の状況を作った。


女型の中身、アニの得意な足技を持ってしても、1度戦ったエレンはアニと比較しない程の強さとなった。



格闘となれば勝率は女型にあると思われたが、覚醒中のエレンに押され、女型は後退するように壁に向かって走り出した。



女型の硬質化の能力で爪先を硬質化し、壁に爪を突き立てて、とても早いスピードで壁を登っていった。



「なっ…！？」


「あいつ……！」


「巨人の姿のまま壁を登るぞ！」





「速い…このままじゃ……！逃げられる……！」


「行かせない！」


立体機動装置で追いつこうとするミカサをアルミンが引き止め、身体を修復しながら来たエレンに投げ飛ばしてもらったミカサは、ハンジの隣を抜いて女型の頭上へと追いついた。



壁に突き立てる爪と手を切り離す様に、右手の指を斬り落としたミカサは、そのままガスを切り替えて左手の指も斬り落とした。



「アニ 落ちて」



重力に従い落ちてゆく女型の眉間を踏み、下へと突き落とすミカサ。


落下してからエレンに身動き取れないように封じられるまで、アニはパラディ島へ向かう前の記憶を見ていた。




“俺が間違っていた…
今更俺を許してくれとは言わない

けど……

一つだけ……一つだけでいい
頼みがある…


この世の全てを敵に回したっていい
この世の全てからお前が恨まれることになっても…

父さんだけはお前の味方だ

…だから
約束してくれ



帰ってくるって…“






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