お兄ちゃんは絶対私が守る。

治癒 ページ38

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Aの術式と真希の戦闘スタイルは凄くあっていた。


武器が崩れ、ただの風になってしまっても、Aが瞬時に風で新しく武器を作る出す。


真希が作った隙にAが術式をぶち込む。


そんな連携。

今なら特急も怖くないのでは無いかと言うほど2人は無双していた。


ちゃちゃっと呪霊を祓い、2人は帰路に着く。


禪院「いい汗かいたなぁ…つぅか絶対ぇアレ準1級じゃねぇだろ」


『まぁ、最近良くありますし…お手を煩わせてしまってすみません。』


禪院「いいって、てかお前一人でも十分そうだな。
今年の姉妹交流会は楽しみだなぁ！」


『お役に立てると良いんですけど』


そう言って、木々を縫って通りに出た。

そこで待っている筈の補助監督の車はなく、補助監督の姿も無かった。


禪院「あ？」

『はぁ…』



またか、とAはため息を着き、補助監督に電話を掛けている真希を横目に首や腕を回したりと準備運動らしきものをしていた。



禪院「ﾁｯ…でねぇ」


『毎回って訳では無いんですけどね。
今日は運が悪かったです。』


そう言ってAは真希に触れ、術式を使う。

未だ練習中ですけどと先に断りを入れ、真希の背に風で作った翼を生やした。




禪院「うおっ！？」


ふわっと浮き、若干バランスを崩すも、持ち前の体幹で立て直し器用に浮かぶ。

Aも自身に翼を生やし、真希の隣に浮いた。


『操風術式…”風翼”』


悠仁の死と同日、呪力カスカスのAが苦労して自力で高専に帰ってきたことを糧とし、
新しく生みだした、少量の呪力と空気中の蠢く風を纏い操る術式。


まだ練習中らしいが、十分程度なら余裕で飛べるほどまで鍛え上げられていた。


浮かべば体勢の調整で、元から吹いている風に背を押され勝手に進む。

そのまま真希らは高専に戻った。




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