お兄ちゃんは絶対私が守る。

術式 ページ23

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Noside





そう一言Aが言った後、ピリッとした殺意が流れたことを七海、伊地知は感じ取った。


殺意…いや絶望、呪いの根源である負の感情の塊。



呪力が増大したように思えた。



七海「(一瞬呪力が増えた…意図的に抑えているのか、この歳で。)」



伊地知「……出来るんですか？」



バックミラーでAの様子を片目で見ながら恐る恐る聞く伊地知にAはいつものように笑って返す。


『私の術式って、まぁ言えば空気を操るんですよね。

小さい頃、術式が発現した時近くにいた猫を殺してしまったんです。

死因は空気が足りず呼吸が出来なくて窒息死。
知らず知らずに暴走させて猫の周りの空気を無くしたんです。

あの時はまだ呪力とか全然わかんなかったし少なかったから人には影響無かったけど、

今なら、もっともっと特訓と訓練を繰り返し呪力を増やして操れれば五条先生を殺す事も可能だと思います。



無下限の内側の元からある空気を消せば良いんですから。』



そう、笑顔で言い切ったAに対し、息を飲む2人。


冗談のようで、本当のよう。

そんな雰囲気を醸し出しながらも、笑って流し、別の話へとさりげなく移した。



『あ、お二人の好きな食べ物とか聞いてもいいですか？』



たまに料理するんです、と付け足していつものテンションで話しかける。


そんなふうに他愛の無い話をしていると、任務地に着いて、伊地知を残し2人は降りた。







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