スペインさん家のメイドさん。【APH】

Nove ページ9

内容はこのような物だった。

Min kære A

元気にしてるが？俺は元気だ。
最近は北欧の奴らど協力して貿易してるっぺ！ドイツどがイギリスども仲良ぐなったっぺよ！

そうそう、そう言えばおめの家に新しい家族がだぐさん増えでるって話だ。当時の上司どが部下の孫、ひ孫の顔見でやれよ！

さで、そろそろ顔を見せでぐれでもいいんじゃねえが？前の失言にづいでは申し訳なぐ思ってる。それを直接謝らせでほしい。

良い返事、待ってるっぺよ！

Fra dit moderland.

思わず安堵の溜息を吐いてしまった。相変わらず楽観的な殿方だ。
自分の発言を謝らせてほしい、という言葉が出てくるのは想定外だった。だが、私の心の整理がついていない。

北欧に帰るか、彼らと生きるか。

この二択は、即刻決めるには難しすぎる。

もう少し考えさせてほしい、という旨の手紙を出そう。序でに、オーストリアさんには断りの手紙を。
今居る場所がバレないように、明日はベルギーさんの家に行こうか。

「では、1日程留守にしますが、家の事、頼みましたよ？洗濯は朝晩2回やる、来客が来たらきちんとお持て成しをする、食事の分量は正確に測って、掃除は必ずお手洗いから…」
「わかっとるって！そないに信用あらへん？」

えぇ、とっても。と表情を変えずに答えると、親分は苦笑いをした。

「いいから行けって！スペインのお守りなら任せとけよ！あと帰ってきたらパスタ作れ！」

ぐいぐいとロマーノ坊っちゃまに肩を押され、見送られた。親分は大きく手を振り続けている。

私は何回か浅くお辞儀をして屋敷を後にした。

本家のには負けるが、私も腕によりをかけてタルトを焼いてみた。
彼女らは気に入ってくれるだろうか。

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