スペインさん家のメイドさん。【APH】

Cinque ページ5

一方、当時のイギリスは。

「イギリス様、本日の昼頃に物資が到着するようです。ご準備の程を。」

「あぁ、わかった。」

長きに渡る百年戦争に大敗を喫し、国家も国民も疲弊状態。そこで不足するのが食料である。交渉に交渉を重ね、なんとかデンマークから農産物等々を輸入する目処が立った。

「アイツに借りは作りたくはねぇが…
国が飢えたら侵略どころじゃねぇからな…。」

彼らがやってくる方向を眺めていると、船の影らしき物が見えてきた。
彼は、気付いたように急いで岸から離れ、出迎えの準備を始めた。

その翌日。
彼は海岸近くのパブで半裸状態から目を覚ました。幸い、彼が毛布を被っていたので、犯罪者扱いには至らなかった。

「…誰も居ねぇ。
昨日の…夜からか？記憶がねぇな…。」

とりあえず机の上にきちんと畳んであったシャツを羽織る。すると目に付いたのが一枚の紙きれ。

Jeg håber at se dig igen.(また会えん事を。)


文字はデンマーク語で、どうみても女の字。
だが、やってきた商人に女が含まれていただろうか？記憶が正しければ、全員男の筈…


ずきっ


激しい頭痛に襲われる。吐き気も催す。
そしていつになく倦怠感が強い。


「飲み過ぎと、こ、りゃあ酔った勢いで魔法使ったかぁ？しかも、割とでけぇ、規模の…。」


彼は気を失うようにまたその場に倒れた。
今度は誰にも毛布を掛けてはもらえず、彼の様子を見にきた店主によって発見された。


その後、彼は自らの予言通り1ヶ月間寝込んだ。ただ、あの夜の記憶は蘇ってはいない。

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