Ms.Triple Three (ページ6)

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6.ファンと選手と私とページ6

紅白戦を終えた翌日、打って守ってと大忙しだった身体は疲弊しきっており、歩くだけでも一苦労だった。

『うぅ〜…高三の夏は全然大丈夫だったのにな〜。』

呻き声とともに重い身体をずるずると引きずって歩いていれば、門脇さんと浅野さんを始めとした一軍グループの人たちが即席サイン会をしていた。

(みんな、人気だなー。)

なんて眺めつつ、練習場へと重い身体を引きずって行こうとした時だった。

子供ファン「こばなせんしゅー！！サインおねがいしまーす！」

小さくて可愛らしい女の子のファンに名前を呼ばれる。
練習場に向けていた身体を勢いよく戻し、呼んでくれた子の側に駆け寄る。

『はいはーい！どれにサインしたらいいー？』

子供ファン「これ！おねがいします！」

そう言って差し出してきたのは背番号21のユニフォーム…私のだ。

『え！？ここに書いていいの？』

子供ファン「うん！」

『じゃあ、いーっぱい大きく書くね！』

小さいファンが着ているユニフォームにデカデカとサインを書く。

『はい！書けたよ！』

女の子のファンにペンを返せば、深々とお辞儀をしてご両親の元へと嬉しそうに走っていった。
そんな光景をニコニコと見つめていれば、周りにいたファンの方々にも色紙やらボールやらを差し出された為、私も即席サイン会を行う事となった。

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『はい！ありがとうございました！』

最後のファンにサインをし終え、再び練習場へと行こうとすると、すこし先で浅野さんたちが待っていた。

浅野「A！早く行こー！」

門脇「遅刻しちゃうよ！早く早く！」

『ちょ！待ってくださいー！今サイン終わったばっかりなんですからー！』

門脇「人気者だったのは知ってるー！ファンの期待に応えるために練習頑張るよー！」

『はーい！』

ファンの方々に一礼をして先輩方の所へと走っていく。
先程まであんなに疲れていた身体はどこかにいってしまった。
やっぱり、ファンの力って凄いなー…