【刀剣乱舞】桜と本丸と謎 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:608 hit

一話ページ2

大学受験を控えた私は、特に勉強をするわけでもなくおばあちゃんの家でのんびりとしていた。

「…はぁ、暇だな」

「あんた、大学はどうするのさ。まだ行く場所も決めてないんだって？」

居間でゴロゴロとしてそんな事を呟くと、昼餉を作っていたおばあちゃんが厨からそんな事を言ってきた。大学だの、受験だのと言うが私にはしたいこともないし、大学に行くほどの頭も待ち合わせはない。少しできることといえば歴史や国語が得意なだけだ。数学なんて中学の頃で終わったようなものだし。

「おばあちゃんって昔何してたの～？私もおばあちゃんと同じことしようかなぁ」

「駄目よ、危ない仕事だからアンタには向いてない」

「危ない仕事って何よ、おばあちゃんから危ない匂いなんてしないのに」

「そういうことじゃないのよ、さぁさ昼餉が出来たからさっさと持っていっておくれ」

厨の方を見ればお膳に並べられた昼餉が二つ見えたので、さっと起き上がっておばあちゃんの手伝いをする。お膳を一つずつ居間の机へ運んだ。私とおばあちゃんが席につきいただきます、と声をかけてから昼餉を食べ始めた。

今日の昼餉はご飯に鰤の塩焼き、豆腐の味噌汁と少しのお漬物だ。おばあちゃんの家に来てからは大体今日のような日本食しか出てこない、昔からこうだしもう慣れたもんだが他の家からすると珍しいらしい。
おばあちゃんの家は昔ながらの日本家屋だ、この家は何代も前から続いている大きな家らしく昔はそれなりに有名な家門だったそうだ、まぁ何の職業で有名だったかは教えてもらえなかったが。

だから、家は何畳もある部屋がいくつもあるし桜を咲かせる事も可能な大きな庭がある、とにかく大きな敷地にある家だった。
母もこの家で育ったらしいということは聞いたことがあるが詳しいことは知らない。5つの頃、この家に預けられてからは数えるほどしか会えていないからだ。なんでも両親共に仕事が忙しいらしく中々家に帰れないので祖母であるおばあちゃんに私を預けたらしい。

私は小さい頃、母の仕事について行ったことがあるらしくその時に誰かからもらった簪は今でも宝物だ。簪のために髪を伸ばしたりしているほどに。

あの白い人は一体誰だったんだろう。